東京に大きな被害をもたらす可能性がある首都直下地震は、今後30年間に70%の確率で発生するといわれています。また、近年は令和元年東日本台風や令和2年7月豪雨など、風水害による大規模な被害が全国各地で発生しています。
こうした自然災害から自分や家族の命を守るためには、日頃からの自助の取り組みと災害の種類や規模に応じた適切な避難行動を取ることが重要です。また、電気・ガス・水道などのライフラインやエレベーターの停止など、さまざまな状況を想定した備えも大切です。
この機会に、ご自身の防災対策を改めて確認しましょう。
■震災時の避難行動
区では、9割以上の世帯がマンションなどの共同住宅に住んでいます。こうした建物の多くは耐震性能が高く、倒壊による甚大な被害は受けないと想定されています。自宅で安全が確保できる場合には「在宅避難」をお願いします。
一方で、建物被害などにより自宅での生活ができなくなった場合は、安全な知人宅や防災拠点(避難所)に避難してください。
■家庭での備え
○水・食料の備蓄
水・食料は最低でも3日分、できれば1週間分を用意しましょう。
備蓄の目安:
・飲料水1人1日3L×3日×家族分
・食料1人1日3食×3日×家族分
◎日頃から食べ慣れているものや、使い慣れているものを少し多めに購入しておく「日常備蓄」がおすすめです。
また、乳幼児、高齢者や女性など、それぞれに対応する食品や医薬品などを多めに購入しておくと安心です。
○簡易トイレ・携帯トイレの備蓄
排水管の安全が確認できるまでは、簡易トイレ・携帯トイレを使用しましょう。
備蓄の目安:1人1日5枚×3日×家族分
◎排水管が損傷した状態でトイレを使用すると破損箇所を中心に汚水や汚物などが詰まり、そのまま水を流し続けると、逆流した汚水や汚物が便器から溢れます。また、マンションなどでは、上階から流れた汚水や汚物が、下の階で溢れる可能性もあります。
○携帯トイレの使い方
(1)便座を上げて、便器に便袋受けネット(なければポリ袋などで代用)をセットします。
(2)便座を下げて、便座に便袋を被せて使用します。
(3)説明書に従い、凝固剤を便袋の中に入れます。
◎吸水シートタイプの場合は使用前にシートを便袋の中に入れます。
(4)便袋を便器から外し、便袋の空気を抜いて、しっかりと口を結びます。
(5)使用後の便袋はごみ袋にまとめ、新聞紙などの可燃物を混入してください。ごみの収集運搬体制が整った後、「燃やすごみ」として廃棄します。
◎通常の燃やすごみと分けて収集するため、「し尿ごみ」と表示してください。
◎ごみ袋はごみの収集運搬体制が整うまでの間、自宅のベランダなどで保管してください。
○家具類転倒・落下・移動、ガラスの飛散防止
過去の大地震では、家具類の転倒や落下、割れたガラスの飛散などでケガ人が数多く発生しました。家具類の転倒などにより、避難経路がふさがれる可能性もあります。家具の配置や収納方法を工夫するとともに、家具類転倒防止器具の設置、ガラスの飛散防止フィルムの貼り付けを行うなど、室内の安全対策に取り組みましょう。
■安否確認と情報収集
災害時は、電話回線の規制やアクセスの集中などにより、電話やインターネットがつながりにくくなります。
日頃から複数の連絡手段を家族などと確認するとともに、正しい情報が収集できる手段を確認しておきましょう。
○安否確認・連絡手段
・災害用伝言ダイヤル(171)
・災害用伝言版(Web171)
・SNS(X(旧Twitter)、Facebook、LINEなど)
○災害時の情報収集
・防災行政無線
・280MHz緊急告知ラジオ
・中央区ホームページ
・中央区防災マップアプリ
・ちゅうおう安全・安心メール
・中央区公式SNS(X(旧Twitter)、Facebook、LINEなど)
◎本紙二次元コードからメールアドレスを読み取り空メールを送信し、その後返信されるメールの案内に従い登録してください。
○災害用統一SSID「ファイブゼロジャパン」の活用
「ファイブゼロジャパン」とは、大規模災害時に公衆無線LANのアクセスポイント(Wi-Fiスポット)が無料で開放される仕組みです。災害時、インターネットに接続できないときは、Wi-Fiを選択する画面から「00000JAPAN」というSSIDを探してみましょう。
■防災パンフレットの配布
家庭での日頃の備えや地震発生時の行動、区や地域の防災対策などを紹介している「わが家わがまちの防災ハンドブック」、マンション居住者や管理組合の方などに向けて、マンションにおける防災対策を紹介している「いま、始めよう。マンション防災」を区役所1階防災危機管理課、日本橋・月島・晴海特別出張所で配布している他、区【HP】でダウンロードできます。
ご家庭や地域、マンションの防災対策にご活用ください。
■事業所の対策
災害発生直後に従業員が一斉に帰宅しようとすると、道路や歩道に人が溢れ、緊急車両が通行できなくなり、救助活動の妨げとなります。また、帰宅中に余震などで二次災害に遭う可能性もあることから、すぐに帰宅することは大変危険です。
災害時はむやみに移動せずに、安全を確認した上で職場や訪問先に留まるようにしてください。また、従業員が安全に留まることができるよう、3日分の水・食料や毛布、簡易トイレなどを備蓄しておきましょう。
建物に被害があり、安全に留まることができない場合は、帰宅困難者一時滞在施設、一時待機場所へ避難しましょう。施設の場所や開設状況は中央区防災マップアプリなどで確認できます。
◎東京都帰宅困難者対策条例では、従業員の一斉帰宅の抑制が事業者の努力義務となっています。
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