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平和使節団の体験報告(1)

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戦後79年が経過し、戦争体験者・被爆者は年々減っています。区では戦争の悲惨さや平和の大切さについて学び、周りの人に伝えたいと集まった若者を平和使節団として沖縄・鹿児島、広島、長崎の各都市へ派遣しました。今号では平和使節団員が現地で体験してきた活動の一部をご紹介します。

■報告会を行いました
9月6日、沖縄・鹿児島班、広島班、長崎班から体験の報告がありました。参加した平和使節団員は今後、区の平和事業に参加し、平和について発信していただきます。
現在、現地での活動内容や学んだことをまとめた報告書を作成しています。報告書は12月ごろから問合せ先の窓口で無償配布します(数に限りあり)。

■沖縄・鹿児島班
派遣期間:7月22日~25日
◆訪問先・活動内容
・富屋食堂
・知覧特攻平和会館(ピックアップスポット)
・対馬丸記念館(ピックアップスポット)
・戦争体験者講話
・嘉数高台
・糸数の壕(アブチラガマ)
・ひめゆりの塔
・ひめゆり平和祈念資料館
・平和の礎
・沖縄県平和祈念資料館
・糸満市平和の語り部育成事業研修生との平和交流会 ほか

◆ピックアップスポット
◇知覧特攻平和会館
第二次世界大戦末期の沖縄戦で、爆装した飛行機もろとも敵艦に体当たり攻撃する、特攻作戦に駆り出された陸軍の隊員たちの遺品や関係資料を数多く展示しています。
鹿児島県南九州市知覧には、大刀洗(たちあらい)陸軍飛行学校の分教所のひとつがあり、少年飛行兵や学徒出陣の特別操縦見習士官などが操縦訓練を重ねていました。戦況が緊迫し、昭和20(1945)年、20歳前後の若い隊員たちが出撃していきました。
会館横の杉林には、特攻隊員が出撃するまで過ごした半地下式の三角兵舎が復元されており、見学することができます。

◇対馬丸記念館
対馬丸事件では、昭和19(1944)年8月21日、800人余学童を含む約1,800人を乗せて那覇港を出航した学童疎開船対馬丸が、翌日の夜、鹿児島県悪石島付近で米潜水艦ボーフィン号の魚雷攻撃を受けて撃沈され、学童780人を含む1,484人(平成30(2018)年8月22日までの氏名判明者)が亡くなりました。
対馬丸記念館では、資料が保存・展示され、生存者・遺族が語り部として講話を行っています。今回の平和使節団では、当時4歳で対馬丸に乗船し、対馬丸事件を体験・生存された照屋恒さんの講話を伺うことができました。

「負けると分かっていながらも戦争を続けなければいけないのは、終わりが見えないようで、本当に戦争は苦しいものだと思いました。」
(野上咲さん)

「現地で戦争を体験した人の話を聞き、実際に戦跡を見ることができました。わずか79年前に本当にあった、たくさんの人の命を奪ったとても悲惨な戦争だということが身にしみて、今の平和な生活がどれだけありがたいものなのか分かりました。」
(栗原紫帆さん)

■広島班
派遣期間:8月5日~7日
◆訪問先・活動内容
・ヒロシマ青少年平和の集い(被爆体験講話、ディスカッション)
・平和記念式典(ピックアップスポット)
・原爆死没者追悼平和祈念館
・平和記念公園(原爆供養塔、平和の鐘、原爆ドームなど)(ピックアップスポット)
・広島平和記念資料館
・宮島歴史民俗資料館 ほか

◆ピックアップスポット
◇平和記念式典
平和記念公園で行われた「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」に参列しました。松井一實広島市長による「平和宣言」や、市内の子どもたちによる「平和への誓い」が読み上げられ、人々は原爆犠牲者の方々に思いを馳せ、平和への祈りを捧げました。79回目の広島原爆忌となった今回の式典では、109か国の代表など、非常に多くの参列者が会場に集まり、式典後、公園中央の原爆死没者慰霊碑には献花するための長蛇の列ができました。

◇原爆ドーム
チェコ人の建築家ヤン・レツルの設計で大正4(1915)年4月に広島県物産陳列館として完工し、特徴ある緑色のドームで市民に親しまれていました。県物産の展示・卸売、商工業に関する調査・相談などのほか、美術展や博覧会などにも利用されました。その後、戦争が長期化・激化するとともに内務省中国四国土木出張所、広島県地方木材(株)などの事務所として使用されました。
昭和20(1945)年8月6日午前8時15分、B29爆撃機が人類史上初の原子爆弾を投下しました。原爆は、この館の南東約160m地点の上空約600mでさく裂し、館内の全員が即死。建物は全焼しましたが、爆風がほぼ垂直であったため、壁の一部は倒壊を免れ、最上部に円蓋の鉄骨が残りました。戦後、その形から、原爆ドームと呼ばれるようになりました。

「実際の声を聞かないと分からないことがあります。声のトーン、震え、なかなか言葉にならない思い、文を読むのとはまるで違っていました。」
(明田夏実さん)

「さまざまな地域の同年代の人と、一緒に原爆について話し合い、みんなが協力し、知識を合わせ、周りの人に伝えようとすることが大切だと思いました。」
(許智中さん)

問合せ:国際平和・男女平等人権課国際平和担当
【電話】03-5211-4165

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