文字サイズ
自治体の皆さまへ

「ヤングケアラー」を知っていますか?(2)

2/45

東京都品川区

元ヤングケアラーで、現在は品川区ヤングケアラーコーディネーターとして活動するお二人にお話を伺いました。

◇ヤングケアラーの存在を知って必要な支援を
品川区ヤングケアラーコーディネーター(ヤングケアラー協会代表理事)宮崎成悟さん
大切な家族が苦しんでいたらどうしますか。心配したり、言葉をかけたり、必要であればケアをしたりするのは当たり前のことです。「ヤングケアラーはかわいそうな存在」とネガティブなイメージで捉えられることがありますが、当事者として、それは違うと強く言いたいですね。
しかし、ケアをしている状況が辛かったら、辛いことを当たり前にしてはいけない。そのためには、社会の支援が必要です。特に子どもの場合は本人に介護という認識がなかったり、周りの大人に話しても子どもが介護をしていることを理解されなかったり、「親は何をしているの?」と言われたり。そこで相談するのをあきらめてしまうケースが多いです。まずは多くの方にヤングケアラーの存在を知っていただき、ヤングケアラーに必要な支援が必要な時に届き、自分らしい生き方を選択できる社会の仕組みを作っていきたいと考えています。

◇これまでのことを話すだけでとても楽になった
品川区ヤングケアラーコーディネーター(看護師、公認心理師)小林鮎奈さん
小学生の時に母が心の病気で不調になり、大切な人が目の前で辛そうにしているのにどうしたらいいのか、何もできないのが苦しかったですね。一方で、家族の病気のことで勉強や友人関係など、自分のことはいつも後回しになってしまい、気持ちの行き場がなくて夜眠れなくなり、疲れたなと思うことも多かったです。
転機は同じ病気の家族を持つ方たちとの出会いです。家族会に参加し、病気のことを当たり前に話せて、共感してもらえることが衝撃でした。自分の家族のことを当たり前に話せる社会になったらいいなと思い、それがヤングケアラーコーディネーターの仕事にもつながっています。
ヤングケアラーだった自分に言葉をかけるとしたら、「あなたが今思っていることややりたいことはなに?」ですね。そんな声をかけてくれる大人がいたり、もやもやした気持ちに寄りそってくれる場があることが、ヤングケアラーにとってとても大切であると多くの方に知っていただきたいと思います。

■ヤングケアラーコーディネーター
◇相談を受け付けています
毎週水・金曜日(年末年始・祝日を除く)
子ども家庭支援センター
電話:【電話】6421-5237
時間:午前8時30分~午後5時

■品川区の取り組み
区では、ヤングケアラーコーディネーターと一緒に、ヤングケアラーとその家族を支える取り組みを推進しています。
・配食支援
食事の用意をしているヤングケアラーの負担軽減のため、お弁当の配達を行います。
・訪問支援
支援員が家庭を訪問し、ヤングケアラーが担う食事作りや掃除などの家事、家族などの見守り、送迎などを支援します。
・通訳支援
日本語がルーツではない家庭で通訳をしているヤングケアラーの負担軽減のため、通訳や行政手続きをサポートする支援員を派遣します。
・学習支援
ヤングケアラーである子どもや若者を対象に、訪問型の学習支援を行います。また、長期休暇などを利用し、課外学習の場も提供します。
・SNS相談
気軽に相談できる場として、LINE相談窓口を開設しています。
・キャリア相談
高校生のヤングケアラーや若者ケアラーの進学や就職、将来などについて、キャリアコンサルタントなどの有資格者が、LINEでの相談やZoomなどでの面談を行います。
・ピアサポート
ヤングケアラーや元ヤングケアラーが悩みを共有できる場として、相談サロンを開催しています。

■実はとても身近なヤングケアラー
ヤングケアラーは、周囲の人からは気づかれにくいことが多いです。もし、「ヤングケアラーかな?」と感じたら、声をかけたり、相談機関を紹介したりすることが大切です。また、直接相談相手にならなくても、気にかけてくれている大人がいるだけで、その子にとっては心強い存在になっているかもしれません。

問合せ:子ども家庭支援センター子育てサポート担当
【電話】6421-5237【FAX】6421-5238

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU