歯と口の健康は、健康で質の高い生活を営む上で重要な役割を果たしており、歯と口の健康を推進することは、健康格差の縮小や健康寿命の延伸、ひいては健幸まちづくりの推進につながることから、多摩市は、歯と口の健康を推進するための条例を、9月に制定できるよう検討を進めています。
このシリーズ記事では、市民の皆さんの歯と口の健康に役立つ情報をお伝えしていきます。
■歯周病ってなに?
歯周病とは、プラーク(歯垢)の中にいる歯周病菌によって、歯肉(歯ぐき)に炎症を起こし、進行していくと歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてしまう病気です。
症状は、「歯磨きの時に出血する」「歯肉が腫れる」「口臭が気になる」「歯肉が下がって歯と歯の間に隙間ができる」「歯がぐらぐらする」などがあります。(歯周病の進行については下図参照)
■歯周病の原因
(1) プラークの中の歯周病菌の存在
(2)喫煙・ストレス・生活習慣などの環境因子
(3) 年齢・糖尿病など私たちの体による環境因子
(4)歯ぎしりや被せ物・口呼吸など
これらの原因が重なることで歯周病発症の危険性が高まります。
■歯周病と全身の病気との関係
歯周病菌や炎症物質が歯肉の血管から入り込み、血流に乗って全身をめぐると、心臓病・脳卒中(脳梗塞)・糖尿病の悪化・低出生体重児が生まれるリスクを高めることが分かっています。また、歯周病菌が唾液や食べ物と一緒に誤って気管に入ると、誤嚥性肺炎(気管支炎、肺炎)の原因にもなります。
さらに、歯周病は肥満やメタボリックシンドローム・骨粗しょう症・関節リウマチなどの関連もあると言われています。
歯周病の予防や治療を実施することで、歯の喪失を防ぐだけではなく、全身の健康維持にもつながるため、「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」の両方に取り組むことが大切です。
■歯周病予防のポイント
▼セルフケア
・毎日の丁寧な歯みがきでプラークの除去
歯と歯肉の境目にプラークが溜まりやすいので、歯ブラシだけではなく、糸ようじや歯間ブラシを使用しましょう。
▼プロフェッショナルケア
・かかりつけ歯科で定期管理
半年に一度、歯科健診を受け、歯科医師や歯科衛生士による歯石除去やクリーニングをしてもらいましょう。加えて、歯の磨き方も指導してもらうといいでしょう。
市は、歯周病検診や歯周病相談の事業も実施しています。歯科衛生士もいますので、歯や口のことでお困りの方はいつでもご相談ください!
問い合わせ:健康推進課(健康センター)
【電話】376-9149【FAX】371-1235
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