大島の自然や文化、身近な魅力に迫ります。
■側噴火の火口の活用法
伊豆大島は島全体がひとつの火山であり、噴火は私達の生活圏や海岸線など山頂以外でも起こります。山頂以外の噴火でできた地形は、側火山と呼ばれています。大島の側火山には、例えば愛宕山のような小さな山体を作るものや、波浮港やシクボなど、マグマが地下水や海水と接触してマグマ水蒸気噴火が起こり、地面に大きなへこみ(火口)地形を作るものもあります。
波浮港は元々陸地でしたが、爆発的なマグマ水蒸気噴火によって火口が開き、そこに地下水が溜まりました。このような地形を「マール」と呼びます。その後津波によって火口壁の一部が崩され、残った大岩を取り除いたことで波浮港は完成しました。一方のシクボやマイアミ球場(沢立)は、マグマ水蒸気噴火などで噴き飛ばされた地面が、浅く平らな火口を取り囲むように積もってできました。こうした地形を「タフリング」と呼びます。風の強い大島では、このタフリング地形を天然の防風壁のように捉え、作物を育てる畑(写真1)や野球場(写真2)等に有効活用してきました。側噴火の火口を港や畑、野球場として活用する。側噴火が度々起こる伊豆大島ならではの発想に、島民の知恵と逞しさを感じますね!
〔伊豆大島ジオパーク推進委員会事務局〕
○写真1:シクボ
火口底を畑として利用しているんだ!側噴火の火口は、身近な場所にもあるんだね!
○写真2:マイアミ球場
よく見ると、マイアミ球場とシクボは、似た形をしているんだね!
〔写真は本紙またはPDF版をご覧ください〕
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