大島の自然や文化、身近な魅力に迫ります
■中村一明先生 ~堆積物から噴火現象を読み解く~
1986年の伊豆大島火山噴火から、今月で38年を迎えます。日本には活火山〔概ね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山〕が111ありますが、中でも伊豆大島は、特に活動度の高い活火山として24時間体制での継続的な監視が続けられています。
1950年代後半~60年代にかけて、そんな伊豆大島をフィールドとして調査研究に取り組み、地学研究界を大きく前進させたのが、火山地質学者の故・中村一明先生(東京大学地震研究所教授)です。中村先生は、伊豆大島の地層を丹念に調べ、火山灰層の重なりから噴火現象を読み解くという、画期的な調査方法を生み出されました。また、プレート運動によって大地に加わる力の向きを反映して、側火山が並んでいることを発見されました。「非常にローカルな大島の話を大事そうに話しているのは、世界中どこでも同じだからです」と語られた中村先生の研究は、丁寧かつ論理的に構成されており、地質学・地球物理学等の地球科学界全体に貢献し、噴火史を読み解く一般的な考え方として、現代の研究者達に受け継がれています。活火山である伊豆大島での暮らしは、中村先生をはじめとする研究者の方々の地道な調査研究、技術進歩の上に成り立っていることに改めて気づかされます。
・「地層の大切な断面」から、火山自身が残した記録を読み解くんだね♪
・中村先生の目に映る大島は、書籍の中でも紹介されているよ!
伊豆大島ジオパーク推進委員会事務局
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