◆鈴木遺跡から出土した黒曜石の産地
鈴木遺跡からは、黒曜石という黒い半透明の天然のガラスでつくられた石器が多数出土しています(写真1)。黒曜石は、割り取った破片の縁がとても鋭くなることから、旧石器時代の人々はこの性質を利用し、石器を製作していました。
黒曜石は、火山が噴火し地表に吹き出た溶岩が急激に冷やされるとできる岩石です。そのため、すぐ近くに火山のない鈴木遺跡から出土した黒曜石は、遠くの黒曜石産地から持ち込まれたものといえます。
黒曜石の主成分はガラスと同じケイ素ですが、不純物が混じっており、その構成は産地ごとに違っています。この性質を利用し、鈴木遺跡から出土した黒曜石を分析した結果、(1)八ヶ岳山麓(男女倉・小深沢・星ヶ塔・麦草峠)、(2)日光・那須山地(高原山)、(3)伊豆・箱根地域(畑宿・柏峠)、(4)伊豆諸島(神津島)でとれる黒曜石でした(図1)。
いずれも鈴木遺跡からはるか遠方で、特に神津島は海を渡る必要があります。当時の人々は産地への往復の苦労と危険を冒してでも、切れ味の良い石器を作ることができる黒曜石を入手したかったようです。
本紙を参照ください
◆鈴木遺跡発掘50周年記念イベント
◇鈴木遺跡発掘50周年記念講演会(東京文化財ウィーク2024)
旧石器時代の焼石調理と鈴木遺跡の生活
身延山大学の保坂康夫さんが、旧石器時代の人が何を食べていたのかを、鈴木遺跡出土の礫群(れきぐん)を含めた分析から、科学的に調査した最新の研究成果を解説します。
日時:10月5日(土) 午後2時〜4時 1時30分開場
場所:中央図書館3階視聴覚室
定員:80人
申込み:当日、会場へ(先着順)
◇こだいら遺跡ウォーク 国史跡鈴木遺跡をあるく
鈴木遺跡の周辺(鈴木遺跡資料館-鈴木遺跡保存区-コゲラの森-八小遺跡-鈴木遺跡保存管理等用地)を、学芸員の解説を聞きながら歩きます。
日時:10月26日(土) 午後1時30分〜4時 1時から受付
対象:市内在住の方(親子で参加も可)
定員:20人
申込み:10月4日(金)まで(必着)に、電子メールで住所、氏名、電話番号を入力のうえ、問合せ先へ(申込み多数の場合は抽選し、結果を10月11日(金)までに全員に通知)
◇鈴木遺跡発掘50周年記念企画展 鈴木遺跡の発掘調査
50年前の発掘調査の様子を中心に、写真パネル展で紹介します。
日時:
・10月28日(月)〜11月8日(金) 市役所1階ロビー
※土曜日は午後0時15分まで。日曜日、祝日を除く。
・11月13日(水)〜令和7年2月2日(日) 午前10時〜午後4時 鈴木遺跡資料館
※鈴木遺跡資料館の開館日は、下記を参照してください。
問合せ:文化スポーツ課
【電話】042-346-9501【E-mail】bunkazai@city.kodaira.lg.jp
◆錦城高等学校映画研究部制作「温故知新〜鈴木遺跡と私たち〜」
錦城高等学校映画研究部が、鈴木遺跡に関わる人の想いなどを高校生の視点でまとめた作品を制作しました。小平市公式YouTube(ユーチューブ)(右図QRコード)からご覧になれます。
本紙を参照ください
◆小平市鈴木遺跡資料館
小平市鈴木遺跡資料館では、これまでの発掘調査で出土した約16,000〜38,000年前の旧石器のほか、小平市内から出土した縄文時代・平安時代・江戸時代の遺構や遺物も展示・解説しています。ぜひ、お越しください。
開館時間:水曜・土曜・日曜日、祝日 午前10時〜午後4時
※12月27日から1月5日までの年末年始は休館。
団体での見学は、休館日でも可能となることがあります。
事前にご相談ください。
所在地:小平市鈴木町1-487-1(右図参照)
本紙を参照ください
交通アクセス:
・西武線小平駅・JR武蔵小金井駅からバス「回田本通り」下車徒歩5分
・西武線花小金井駅・JR国分寺駅からバス「共済住宅」下車徒歩10分
・西武線花小金井駅南口からぶるべー号(コミュニティタクシー)「氷川通り(あおぞら福祉センター西)」下車徒歩3分
※ぶるべー号は、平日のみの運行です(土曜・日曜日、祝日、年末年始は運休)。
問合せ:小平市鈴木遺跡資料館
【電話】042-323-2233(開館日のみ)
鈴木遺跡から見つかった黒曜石は、鈴木遺跡資料館で見ることができるよ。4か所の産地に分類した展示もあるので、産地ごとの特徴を見比べることもできるよ。実際の黒曜石は写真よりも輝いているよ!ぜひ、資料館に見にきてね!
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