■溶連菌感染症ってどんな病気?
溶連菌感染症は、A群β溶血性連鎖球菌による感染症で、特に学童に多く見られます。
典型的な症状には、喉の痛み、発熱、発疹などがあります。咳がないことも特徴で、その他に嘔吐もしばしば見られます。
3歳未満のお子さんでは典型的な咽頭所見を呈さず軽い風邪症状で済むことが多いのですが、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすことがほとんどないためあまり神経質になる必要はありません。
診断には一般的には迅速キットが用いられますが、健常な小児の約12%が無症状で溶連菌を保菌しているため、陽性結果が出ても必ずしも溶連菌が症状の原因であるとは限りません。
症状と照らし合わせて検査を行うことで、過剰な診断治療を防ぐことが大切です。ペニシリンを中心とした抗生剤内服を行うことで速やかに症状は改善しますが、最後まで内服を続けることが合併症を防ぐために大切です。
以前は、溶連菌感染後に急性糸球体腎炎(AGN)などの合併症を予防するために病後の尿検査が行われていました。しかし、AGNは自然に治癒することが多く、治療が必要なAGNでは、おしっこが少なくなる、顔や手足がむくむなどの症状が出ます。一律に尿検査を行うことより、これらの症状がないかよく観察する事が重要で、症状が現れた時には速やかに医療機関を受診してください。
東村山市医師会
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