◇子どもたちの意見も聴きながら将来の姿をデザイン
加えて、未来も含めた視点を入れて考えるには、これからの江戸川区を担う子どもたちの考えや思いを聴くことも重要です。そこで、区内の小・中学校に通う子どもたちを対象としたワークショップを先月(8月)の20日に開催し、小学生59名、中学生62名、合計121名の子どもたちにご参加いただきました。
ワークショップの冒頭では、「なぜ2100年を考えるのか、2100年は遠い未来かどうか」を問いかけました。2023年の日本人の平均寿命が、男性、女性ともに80歳を上回ることから考えて、「平均寿命を全うすれば、2100年を生きる可能性がある皆さんにとって、2100年は身近な未来ではないでしょうか」と語りかけ、成長した将来の自分の姿もイメージしながら、「2100年の理想の江戸川区」や「理想を実現するための行動」を考えていただきました。
ここで、ワークショップの中で児童・生徒の皆さんから出た意見をいくつかご紹介します。
「人々を差別、区別する言葉をなくしたい。一人ひとりの個性を大切にしていきたい」
「政治についてもっと理解する。18歳になったら選挙に参加する」
「たくさんの人が2100年という未来の江戸川区について知り、一人ひとりができることをして、次の世代につないでいく」
最後にもう一つ、ワークショップに参加した中学2年生の感想をご紹介します。
「2100年のことについて、はじめはどこか他人事に考えていましたが、その未来を背負っているのは私たちだと気付きました。誰かが行動するのを待つのではなく、自ら動くことが大切なんだと改めて実感しました」
子どもたちが自ら考え、また意見を交換してまとめたこれらの内容からは、今の江戸川区をより良いものにして、将来世代につないでいきたいという、真っすぐで素直な思いが感じられます。
今回、私も子どもたちから直接話を聴くことができ、大変勉強になりました。今を生きる者の責務として、区民の皆さまのために、またこれから生まれてくる未来の区民の皆さまのために、2100年を見据えた取り組みをしっかりと進めていきたいと決意を新たにいたしました。
◇区の目指す方向性について区民アンケートを実施
先に触れましたが、今後人口減少などの影響により、現在の行政サービスと区民負担のバランスを保つことが難しくなると予測されています。今回、区民の皆さまや子どもたちから頂いたご意見は、10月ごろに公表するとともに、そのような将来を見据えたときに、区が目指すべき方向性について問う「区民アンケート」を実施いたします。
目指す方向性は、行政サービスと区民負担のバランスを取った上で、高い水準が良いのか、中くらいが良いのか、低い水準が良いのか、三つの選択肢をお示しします。その後、アンケート結果を踏まえた区の具体的な取り組み内容をご提案し、持続可能な区政運営体制を構築していきたいと考えています。
◇オリ・パラ、甲子園などで区ゆかりの方々が活躍
最後になりますが、この夏は大変暑い日が続きました。気象庁によりますと、6月から8月までの全国の平均気温は、これまで最高だった昨年と並び、統計のある1898年以降で最も暑かったそうです。
気温もそうですが、この夏、フランスで行われました「パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会」では、区ゆかりの代表選手や審判の皆さんの活躍が多く見られ、応援に熱が入ったことと思います。
また、同じくこの夏に行われました、第106回全国高等学校野球選手権大会、いわゆる甲子園で、区内にある関東第一高等学校が、準優勝という素晴らしい成績を収めました。大舞台での活躍に、多くの方が胸を熱くしたことでしょう。関東一高は、競技かるた部も全国優勝を果たしました。
その他にも、この夏は区内の子どもたちがそれぞれの舞台で活躍しています。優れた成績を上げることはもちろん素晴らしいことですが、結果だけでなく、自分の目標に向かって努力を重ねることも大切だと思いますし、きっとその過程において多くのものを得ていることでしょう。子どもたちの成長を頼もしく思います。
こうしたことは、日常の中で行われている活動の上に成り立っているものです。学校生活とともに、日々の活動をいつも支えてくださる家庭や地域の皆さまに感謝するとともに、子どもたちや多くの方が活躍することができる良き土壌を、これからも育んでまいります。
さて、今回提案いたします補正予算は、一般会計、特別会計合わせて総額は80億3千万円余であります。
また、本定例会には、これら補正予算に加え、条例の新設・改正など合計で13件の議案をお諮りしています。
また、決算の認定など4件の報告事項もございます。それぞれご審議の上、ご決定いただきたいと存じます。
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