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令和6年第3回区議会定例会 区長発言(抄)

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東京都渋谷区

9月17日(火)の区議会定例会における長谷部区長の発言の一部を掲載します。

◆1 防災
今年は、元日の能登半島地震に始まり、日本各地で大きな地震が発生しています。8月に日向灘で発生した地震では、気象庁が初めて南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」を発表し、政府が災害への備えを改めて国民へ発信しました。本区でもこの夏、台風やゲリラ豪雨に見舞われ、倒木や道路冠水、住宅などへの浸水など複数の被害が発生しました。
改めて、各家庭での災害への備えとして、備蓄品の見直しやハザードマップでの安全確認を実施していただきたいと思います。
また、災害時の体制をより強化するため、8月に宮城県石巻市と災害時相互応援協定を締結しました。現在も長野県茅野市など複数の自治体と協定締結に向けた協議を進めており、引き続き災害に備え、広域的な自治体連携による取り組みを推進していきます。

◆2 予防接種
10月から65歳以上の高齢者などを対象として、重症化予防を目的とした新型コロナワクチン接種を開始します。さらに小児および高齢者を対象とした季節性のインフルエンザワクチンに加え、新しい20価の小児用肺炎球菌ワクチンの接種も始まります。これら全てのワクチンは自己負担なく接種することができます。
今年の冬に向けて、予防接種による感染症のまん延防止に努めていきます。

◆3 福祉
令和5年度から本格的にスタートした重層的支援体制整備事業では、地域包括支援センターでの障がいに関する相談業務や福祉なんでも相談窓口の開設などによる相談体制の強化に加え、地域福祉コーディネーターや地域団体などによる伴走支援を行なっていますが、さらなる推進体制の強化を図るため、本区の社会福祉法人のあり方を見直していくこととしました。
渋谷区社会福祉協議会は、区民はもとより、民生委員・児童委員、社会福祉施設、社会福祉法人などの社会福祉関係者、保健・医療・教育などの関係機関の参加・協力のもと、住み慣れた街で安心して生活することができる福祉のまちづくりの実現を目指し、主にソフト面を中心にさまざまな活動を行なっています。
一方、本区が設立した渋谷区社会福祉事業団は、主に福祉施設の運営などのハード面を中心に事業を行なっています。
これら両法人が持つノウハウやスキルなどの強みを相乗的に生かし、一体的に実施することにより、高齢者、障がい者、子育て支援などの各分野を横断した重層的な事業運営が可能になると考え、両法人の統合について具体的な検討を進めていきます。

◆4 子育て支援
令和3年4月より、保育所などにおける待機児の解消が図られましたが、現状では定員に空きが出ている状況です。そこで、本定例会に、空き定員を活用する方策として、東京都の「多様な他者との関わりの機会の創出事業」を行うための補正予算案を上程しています。
都の補助金を活用し、保護者の就労などの有無にかかわらず保育所などで未就学児を定期的に預かる事業を、本区では「ちょこっと通園事業」という名称で実施していきたいと思います。本事業は、保護者支援に資するとともに、子どもにとっても乳幼児期から同年齢・異年齢の子どもとの関わりの中で、さまざまな体験・経験ができると考えています。

◆5 スポーツ振興
来年、東京で初めて開催される「第25回夏季デフリンピック競技大会※1」は、100周年の記念大会として、区内の東京体育館で開・閉会式と卓球競技が予定されています。今後、大会の周知に加え、スポーツボランティア育成やパラスポーツの振興をより一層推進していくとともに、デフリンピックの気運醸成を図っていきます。
また、4月に設立した一般財団法人渋谷区スポーツ協会において、地域スポーツ環境の充実、部活動改革を着実に進め、本区の生涯スポーツをさらに推進していきます。
※1 聴覚障がいのある選手のための国際的なスポーツ大会。「デフ(DEAF)」は耳の聞こえないことを意味します。

◆6 仮設校舎・青山キャンパス
青山キャンパスの開設まであと1年を切りました。ここでは『未来の学校』を先取りした教育環境を実現していきます。
8月から順次、しぶや区ニュース『未来の学校』特集号、保護者向けの青山キャンパスレター、学校説明会などを通じて青山キャンパスの情報発信も行なっています。
従来の仮設校舎の持つイメージを払拭するとともに、「未来の学校は、もう、ここにある。」というメッセージのもと、最新のテクノロジーが実現する未来の学びや、ラーニング・コモンズ※2、さまざまな屋内競技に対応した運動施設など、その魅力を発信し、保護者や子どもたちが安心して、期待感を持って学校生活を送れるよう、しっかりと準備を進めていきます。
※2 子どもたちがタブレットや本で情報収集しながら主体的に学べる共有空間。一人で集中する学び、グループで協働する学びなど多様な学習スタイルに対応しています。

◆7 神南小学校の建て替え
これまで、公園通り西地区市街地再開発準備組合から提案を受け、再開発事業による神南小学校の建て替えを検討してきましたが、今般、基本設計がまとまり、概算費用および費用負担について準備組合より申し出がありました。
小学校建て替え費用は総額約114億円、このうち約80億円は準備組合が負担し、『未来の学校』に必要な、従来の標準的な小学校にはない仕様にかかる費用約34億円については、区に負担を求めるというものです。
一方、今年度、区から複数事業者に委託した「公園通り西地区再開発事業に伴う容積配分価格調査・廃道宅地化鑑定評価」によると、いわゆる鑑定額は、容積配分については約52億円、廃道宅地化については約16億円との報告がありました。
今回申し出のあった準備組合の負担額が、これらの鑑定額を上回っていることから、学校施設の整備を着実に進めていくため、本区も建て替え費用の一部を負担することとし、再開発事業による小学校建て替えを進めていきたいと考えています。準備組合とは、神南小学校建て替えに関する基本協定を締結する予定であり、次回の区議会定例会で上程します。

◆8 施設使用料の見直し
施設使用料は、利用者に施設利用の対価として負担いただくものです。本区では、平成9年度の改定を最後に使用料の全体的な改定をしていませんが、これまでの間、人件費、光熱費の高騰や2度にわたる消費税率の改定など、施設を取り巻く社会経済状況に変動が生じています。
負担の公平性を確保するため、社会経済状況などを反映した適正な受益者負担となるよう、統一的な算定基準を策定していきます。

区長の発言全文は、区ポータルに掲載しています。

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