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半世紀にわたり渋谷区の魅力を築いた名誉区民。(2)

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東京都渋谷区

◆心に余裕を持ち、文化芸術に触れることが、街の発展につながる
◇現在はどのような活動をされていますか?
大高:これまでいろいろな役職を務めてきましたが、90歳で引退すると決めていたため、今年3月をもって区に関連する全ての役職を退任しました。弁護士事務所で就いていた役職も後継者に引き継ぎ、最近では、会議などに呼ばれた時だけ顔を出して、たまにアドバイスをする程度です。引退はしましたが、私にできることがあればいつでも協力する姿勢を大切にしています。現在は趣味の俳句に時間を費やす日が多いですね。

◇俳句を始めたきっかけや俳人としての活動を教えてください。
大高:高校生の頃から興味はありましたが、本格的に俳句を詠むようになったのは40歳を過ぎた頃です。昭和60(1985)年に俳句の雑誌を発行する「風の道」に入会し、現在は団体の主宰を務めています。また、国際俳句協会の会長として、俳句をユネスコ無形文化遺産に登録してもらえるよう、その普及活動にも取り組んでいます。大高霧海(おおたかむかい)という俳号で活動していまして、その名前は、故郷の三次市でも有名な霧の海の景色から着想しました。

◇大高さんは、しぶや区ニュース「くみんの俳句」で応募作品の選者も担当されています。選評する時に大切にしていることを教えてください。
大高:「くみんの俳句」のコーナーは今年で10年目を迎えました。選評する時に意識していることは、写生※がどこまで徹底されているかということですね。詠んでいる人の目がどこまで行き届いているかを選句の基準にしています。

※実物・実景をありのままに写し取ること。

◇俳句などの文化芸術に関心を持ち続けるために、心掛けていることはありますか?
大高:日々の生活にできるだけ余裕を持たせることです。ただ、勉強や仕事に追われてしまったり、何かとせわしなく、落ち着いて休む暇もなかったりする現代社会で、それを実践することは難しいと感じる人もいるかもしれません。そのような場合は、たとえば通学や通勤などの移動中に一句だけ考えてみる、創作はせずとも、休日に絵画などの芸術作品を鑑賞する時間を確保するなど、些細(ささい)なことでもいいので、生活の中で文化芸術に触れるための余裕をつくってみてほしいです。

◇最後に、区民の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
大高:文化芸術への意識の向上を目標として、私はこれまでさまざまな活動に取り組んできましたが、区民の皆さんはその意識がとても高いと感じています。これからも興味を持ち続けながら、ぜひ、その楽しさを感じてほしいです。文化芸術への関心が高まることで、渋谷区全体が発展することを願っています。

≪「渋谷のラジオ」で放送中!≫
大高さんへのインタビューは10月15・22・29日に「渋谷の星」で放送します。

■大高満範さんプロフィール
昭和9(1934)年生まれ、広島県出身。弁護士としての豊富な経験を生かし、渋谷区教育委員会委員、同委員長をはじめ、渋谷区法律・交通事故相談員、渋谷区議員報酬等及および区長等給料等審議会会長、渋谷区住環境整備審議会会長、渋谷区ホテル等建築審議会会長、渋谷区青少年問題協議会委員、渋谷区奨学資金運営委員会委員、渋谷区民生委員推薦会委員、渋谷区立千駄谷小学校学校運営協議会委員など、幅広い分野で渋谷区のまちづくりや公共福祉、教育行政、学校を中心とした地域コミュニティーの発展に貢献。さらに、公益財団法人渋谷区文化・芸術振興財団の理事長として、区民の文化芸術を享受する環境の整備に大きく寄与。令和6(2024)年8月、渋谷区名誉区民顕彰。大高霧海という俳号で俳人としても活動中。

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