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自治体の皆さまへ

地域共生社会を目指すための場、<結・しぶや>。(1)

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東京都渋谷区

―地域団体がつながり、幅広い支援の実現へ。―

■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
渋谷区の重層的支援体制整備事業に協力する地域団体がつながる場所、地域共生サポートセンター<結(ゆい)・しぶや>で、地域団体を支援する皆さんにお話を伺いました。

・<結・しぶや>地域福祉コーディネーター 前田泉美(まえだいずみ)さん
「<結・しぶや>は11月1日で1周年を迎えます。」

・<結・しぶや>地域福祉コーディネーター 松本康宏(まつもとやすひろ)さん
「行政・社協・区民の皆さんの渋谷区を暮らしやすい街にしたいという思いは同じです。」

・<結・しぶや>コミュニティーマネージャー 柴岡久美子(しばおかくみこ)さん
「気軽に<結・しぶや>に来て、お話ししていただけるとうれしいです。」

・<結・しぶや>コミュニティーマネージャー 藤田(ふじた)のえさん
「区民と団体の両方の目線を持ちながら、相談に乗っています。」

[渋谷区の重層的支援体制整備事業]
重層的支援体制整備事業とは、子ども・障がい・高齢・生活困窮などの分野別の支援体制では対応しきれない複雑化・複合化した課題に対して、分野を横断し一体となって取り組むための包括的な支援体制を整備する事業です。
区では事業の取り組みの一つとして、どこに相談したらいいか分からない人が相談できる「福祉なんでも相談窓口」の運営を渋谷区社会福祉協議会に委託し、地域福祉コーディネーターが属性や世代を問わない相談を受け付けています。地域福祉コーディネーターは各支援機関と連携し、困っている本人や地域の皆さんと一緒に課題解決に向けて継続的な支援を行う役割を担っています。

◆地域活動を行う団体同士がつながることで、支援の幅を広げていく
◇皆さんの自己紹介をお願いします。
前田:渋谷区社会福祉協議会(以下、社協)の地域共生推進課地域総合相談支援係に所属し、地域福祉コーディネーターとして、地域共生サポートセンター<結(ゆい)・しぶや>(以下、<結・しぶや>)で活動しています。

松本:私も前田さんと同じ所属で、地域福祉コーディネーターとして<結・しぶや>で活動しています。

柴岡:認定NPO法人サービスグラント(以下、サービスグラント)に所属し、<結・しぶや>ではコミュニティーマネージャーを務めています。サービスグラントは、社会や公共の目的のために職業上のスキルや経験を生かして取り組む社会貢献活動(プロボノ)を推進する団体で、多彩なスキルを持つ人たちと、非営利団体とのコーディネートを通じて、社会課題の解決を後押ししています。

藤田:NPO法人tannely(タネリー)(以下、tannely)の代表をしながら、<結・しぶや>ではコミュニティーマネージャーを務めています。tannelyは渋谷を拠点に活動している団体で、仕事と子育ての両立に悩む母親のためのコミュニティーづくりをしています。

◇<結・しぶや>とは、どのような施設なのでしょうか?
前田:<結・しぶや>は、渋谷区の重層的支援体制整備事業に協力するNPO法人や地域団体(以下、団体)などがつながるプラットフォームとして、5年11月に文化総合センター大和田に開設されました。団体から活動に関する相談を受けたり、団体同士の連携を支援したりすることで地域活動を広げ、これまで支援の届きづらかった人たちにきめ細やかな対応ができるようにしていく場所です。

◇<結・しぶや>での普段の活動を教えてください。
前田:イベントなどに活用できるスペースがあり、月に数回、団体同士がつながるための交流会や、活動に役立つセミナー・ワークショップなどを開催しています。また団体同士が交流できるスペースでは、日常的な情報交換のほか、常駐している地域福祉コーディネーターやコミュニティーマネージャーへの活動の具体的な相談が行われています。

◆地域共生社会のため、<結・しぶや>にできること
◇地域福祉コーディネーターは、普段どのような活動をしているのでしょうか?
松本:大きく分けて「個別支援」と「地域支援」の二つの活動があります。個別支援では、相談先が分からない場合のサポートや、既存の相談窓口では対応が難しい相談に乗っています。地域支援では、人と人、人と場所をつないで、誰もが安心して暮らせる地域づくりを行なっています。

◇分野別の支援体制では対応しきれない課題について具体的に教えてください。
松本:例えば、80代の親が50代の子どもの生活を支える「8050問題」、高齢や障がいなどの複数の要因によって生活が困窮する問題、家族の世話や家事を子どもや若者が引き受けている「ヤングケアラー」の問題、子育てと介護が重なる「ダブルケア」の問題など、一つの支援機関では対応しきれない課題は数多くあります。<結・しぶや>では、そのような複雑化・複合化した課題を、行政だけではなく団体と協働し対応することで、支援の幅を広げられるような体制を整えています。

◇<結・しぶや>でのコミュニティーマネージャーの役割について教えてください。
柴岡:団体の活動における困り事や悩み事、新たな団体の立ち上げに関する相談に対応しています。その中でも、私はサービスグラントでの活動を生かして、さまざまな団体が力強く活動していけるように、いろいろなスキル・経験を持つ人や団体に協力を仰いだり、団体同士をつないだりしています。<結・しぶや>を通して新たな担い手と出会ったことで、団体活動の推進につながる取り組みも生まれています。

藤田:<結・しぶや>のように、民間の団体がコミュニティーマネージャーとして行政の施設に入って協働することは、かなり珍しいと思います。この取り組みに参加する時、「行政、民間だけではなく、その両方が一緒に取り組める場所を目指している」というお話を伺いました。渋谷区で活動しているtannelyもその橋渡しができるように、区民と団体の両方の目線を持ちながら、皆さんからの相談に乗っています。

◇<結・しぶや>が目指しているものを教えてください。
松本:年齢、性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、誰もが共に支え合い、安心して暮らせる地域共生社会の実現を目標に掲げています。もちろん、そのためには区民や団体の皆さんのご理解・ご協力が不可欠です。渋谷区を暮らしやすい街にしたいという思いは、行政も社協も区民の皆さんも同じなので、その思いを形に変えていきたいと考えています。

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