―性の在り方にかかわらず、誰もが尊重し合える社会へ。―
■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
今年の「東京レインボープライド」で、渋谷区と協働でブースを出展した学生スタッフの皆さんに、イベントで得た気付きや大学での取り組みについて伺いました。
・津田塾大学 総合政策学部総合政策学科4年 土井美亜(どいみあ)さん
「性的マイノリティーの皆さんが傷つけられないように、社会の仕組みや制度を変えていきたいです。」
・津田塾大学 総合政策学部総合政策学科4年 チョンタヒョンさん
「活動が限られてしまう大学生にとって、区と協働してブースを出展できたことは心強かったです。」
・聖心女子大学 現代教養学部教育学科2年 市川奏那(いちかわそな)さん
「イベント当日に虹色のブレスレットをいただき、私も仲間の一人であるということが実感できました。」
・青山学院大学 教育人間科学部心理学科3年 佐藤達也(さとうたつや)(仮名)さん
「性の多様性を実現する社会を目指すためには、持続的に活動することが大切だと思います。」
◆若い世代の参加者が増えてきた「東京レインボープライド※1」
◇皆さんの自己紹介をお願いします。
土井:大学ではジェンダーや公共政策について勉強しています。高校生の時に日本社会におけるマイノリティーの立場について学んだことがきっかけで、LGBTQ※2のコミュニティーに興味を持ち始めました。
チョン:ジェンダーや国際移動を専門とした総合政策学を大学では勉強しています。令和4(2022)年には「トランスジェンダー学生迎え入れに関する学生団体」を設立しました。
市川:大学では初等教育学を勉強しています。幼い頃からジェンダーについて興味があり、中学生の時にSDGs※3の一つである「ジェンダー平等を実現しよう」について学んだことがきっかけで、ジェンダーや多様性をテーマにした、いろいろなイベントに参加しています。
佐藤:大学でジェンダーをテーマにしたイベントに足を運んだ時に、職員からイベントに誘っていただいたことがきっかけで「東京レインボープライド」に参加しました。当日は新しい発見がたくさんあって、とても刺激的なイベントでした。
※1 性的マイノリティーに関する日本最大規模のイベント。今年は4月19日から21日までの3日間、代々木公園で開催された。
※2 レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(生まれた時に法律的、社会的に割り当てられた性別とは異なる性別を生きる人)、クエスチョニングやクィア(自らの性の在り方を定めていない人、規範的な性の在り方に属さない人)の頭文字を取った言葉。
※3 平成27(2015)年の国連サミットにて、加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の頭文字を取った言葉。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すために、17のゴールが掲げられている。
◇「東京レインボープライド」とは、どのようなイベントなのでしょうか。
チョン:LGBTQをはじめとする性的マイノリティーの存在を社会に広めることを目的とした、「“性”と“生”の多様性」を祝福するイベントです。当事者の皆さんが差別や偏見にさらされることなく、前向きに生きていける社会を実現するために、さまざまな企業や団体がブースを出展したり、ステージでパフォーマンスを行なったりします。今年は昨年よりも参加者が大幅に増え、若い世代を中心に多様性への関心が高まっているように感じました。
◆ブースの出展を通して生まれた出会いや気付き
◇渋谷区と連携し、協働で出展したブースでは、どのようなことに取り組みましたか。
チョン:大学でこれからどのような取り組みが必要なのかを知るために「LGBTQフレンドリーなキャンパスづくりを目指して」をテーマにしたボードを設置して、具体的な行動につなげるためのアイデアや意見を来場者の皆さんに書いていただきました。また、各大学の取り組みをLGBTQの当事者やアライ※4の皆さんへ周知するために、広報やイベントの告知も行いました。
※4 仲間、味方という意味で、「LGBTQも生きづらくない社会」を願う人のこと。
◇ブースの出展を通して、どのような出会いや交流がありましたか。
市川:皆さんにバッジを配っている時、ほかのブースを出展していた人がLGBTQの象徴である虹色のブレスレットをくださったんです。まるで、自分が仲間として認めてもらえたような気持ちになり、イベントに参加して良かったと思いました。
土井:お子さんを連れたご家族がたくさんいらっしゃったことが印象的でした。子どもたちが楽しそうに参加している様子を見ると、性的マイノリティーの当事者に対する差別や偏見などがなくなっていく未来を想像することができて、とても勇気付けられました。
◇今回のように区と大学が連携することについて、どのように感じていますか。
チョン:社会の課題に向き合う大学生は前向きな人が多く、解決のためにやりたいことがたくさんあると思います。しかし、経済的な問題や立場の問題によって、活動が限られてしまっているのが実情です。今回のように、大学生の活動を区がサポートしてくださったことはとても心強かったです。今後もさまざまな形で連携していけたらうれしいです。
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