◆児童の減少と小学校の併合
学校の統廃合とは地域全体(学区域全体)の大きな問題である。学校名がなくなるだけでない。在校生、卒業生、保護者や地域に関わりのある多くの人が思い出のすべてを失う。それだけ大きな問題を抱えている。だから多くの場合地域の住人による協議会を設置し、地域の状況を取り入れながらさまざまな場面で対応しようというのである。
狛江の児童数は昭和53年を最高に年を経るごとに減少し、平成13年に狛江第四小学校と狛江第八小学校を併合することになり和泉小学校が設立された。
校名は、旧四小、旧八小の児童、保護者、一般市民から募集し273人の応募から95の校名が候補に上がったが、1番多かった「和泉小学校」を統合協議会が取り上げ、地域の方々と協議して決めた。
校章は、二つの学校の思い出を末永く残そうと、多摩川のほとりにある草木の若芽が成長して大樹となり、12個の実(四小+八小)を結ぶ。児童が良い環境のもとで成長して、将来たくさんの実を結ぶことを表わすことにした。
校歌も地域の方々から寄せていただいた「好きな言葉」を加味しながら和泉小学校の校名を加えて作詞した。和泉小学校の学区域には「万葉歌碑」をはじめ、たくさんの史跡・遺跡があるのでそれらも取り入れられた。
平成17年には狛江第二小学校と狛江第七小学校が併合して緑野小学校ができた。
校名は、児童や保護者、一般市民から募集したら「緑」や「野」を使った言葉が多かったので「緑野」にした。新校舎がケヤキや桜、旧二小のシンボルの木ヒマラヤスギ、旧七小から移植したシンボルの木「エノキ」など緑に恵まれていること。学区域に前原公園、のびのび公園、野川緑地公園など自然が豊かであることから緑野小学校と名付けられた。
校章は児童や保護者、市民の意見の中で「統合する」というイメージがかなりあったので、みんなの意見をデザイン化して決められた。
「緑」のへんの部分は杉の木を、つくりの部分はエノキを表現している。また、2個のだいだい色の円形は二小を表わし、7個の青いひし形は七小を表わしている。新校舎の壁面には大きくカラーで校章が張り付けられている。
井上 孝(元狛江市文化財専門委員)
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