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〝川ガキ〟たちの歓声 狛江水辺の楽校

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東京都狛江市

◆川流れ体験
◇プカプカ浮かんで水難防止法学ぶ
「わーい!」「気持ちいい!」︱。川に浮かんだ子どもたちの笑顔がはじけ、歓声が上がる。
青空に積雲がわき上がる狛江市の多摩川。夏休みに入って間もない7月27日、「水辺の安全教室」が開かれた。川でおぼれそうになった時の対処法を、子どもたちに体験してもらう市の事業だ。
運営を委託されたのは「狛江水辺の楽校(がっこう)」。子どもたちが多摩川の自然を体験する場だ。先生役は地元の市民講師。かつて〝川ガキ〟で鳴らした「川遊びの達人」たちだ。
この日は、小学生14人と保護者13人が参加。特定外来植物・アレチウリの駆除に汗を流した後、ライフジャケットを着用して河原へ。
市民講師が「川に落ちた時に、『巻き戻し』に乗る方法を練習します」。川下に足を向け、流されながら手でこいでいき、流れの速い「流芯(りゅうしん)」の周りで渦になっている「巻き戻し」に乗ることで川岸に近づく実習だ。
楽校のスタッフや市職員ら約10人が、上流と下流に長さ約15mのロープを持ち、幅約20mのエリアを設定。子どもたちは市民講師の指導で、川に肩まで入ってひっくり返り、水に浮かぶと大はしゃぎ。深い所は大人の腰付近まであるが、河童になった気分で川流れを体験。最後は空を見上げて大笑いしながら、川の流れに身を任せた。
初めて参加した狛江第六小学校1年の渡辺永一朗君(6)は「最初はヘタだったけどプカプカ浮かんで楽しかった」。
楽校の安全ボランティアとして加わった千葉清さん(58)はロープを持ちながら、最初はビクビクしていた子どもたちが水と戯れる姿に目を細めた。「この体験を通してふるさとの川を身近に感じてほしい」と願う。
あの日、川に浮かびながら見た青空を、現代の〝川ガキ〟たちは、決して忘れないだろう。
佐藤清孝(元新聞記者)

◇今年で開校23年を迎えた「狛江水辺の楽校」の活動と、それを支える人たちの姿を紹介します。

◇狛江水辺の楽校
「水辺の楽校」は川を子どもたちの身近な自然体験の場として活用する国土交通省の親水プロジェクトで、狛江は2001年に多摩川流域の第1号として登録認可された。雑木林や湧き水、池などがある広い河原が「教室」。生態系豊かな自然が残され、開校23年で延べ約7万2,000人が参加している。

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