■食中毒は夏だけじゃない!
冬は夏に比べてウイルス性の食中毒の集団感染が多くなります。特に高齢者や乳幼児は重症化しやすいので、注意が必要です。
■年間の原因別発生件数上位3位の原因物質の特徴と予防法
1.ノロウイルス/ウイルス(大きさ1万分の1ミリメートル)
乾燥にも強いノロウイルスに汚染された食品を介して経口で感染し、人の腸管で増殖します。
・主な症状…おう吐、下痢、腹痛、微熱など
・予防のポイント
・トイレの後、調理前は、手指を石鹸で丁寧に2度洗う。
・加熱して食べる食材は中心部までしっかり火を通す。
・調理器具(菜箸、ボウル、ザル)は加熱前後で使い分ける。
・二次感染防止のため、患者のおう吐物を処理する際は換気をし、マスク、手袋をして直接触れないようにする。
・症状があるときは食品を直接取り扱う作業を避ける。
(注釈)消毒は塩素系漂白剤が有効。ノロウイルスにアルコールは効果がない。
2.カンピロバクター/細菌(大きさ1000分の1ミリメートル)
家畜(牛、豚、鳥など)の腸内に潜伏し、加熱不十分な鳥肉による食中毒も発生しています。生焼け肉や生肉を扱った後、洗浄不足の手指、調理器具混用などから生野菜に付くことがあります。
・主な症状…おう吐、下痢、腹痛、発熱、頭痛など。感染して数週間後に手足の麻痺、顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症することもあります。
・予防のポイント
・生野菜は最初、肉類は後に切る。生肉を扱った後の手指や調理器具はよく洗浄・消毒をする。
・食肉は中心部まで十分に加熱する(75℃1分間以上)。肉類の生食はリスクがあるので控える。
3.アニサキス/寄生虫(長さ1から2センチメートル)
海の魚類(サバ、アジ、サンマ、タラ、イカなど150種以上)に付いている寄生虫(糸のような線虫)で肉眼でも見えます。
・主な症状…胃にたどり着くと、アレルギー反応を起こし、激しい腹痛や吐き気を伴います。
・予防のポイント
・生魚を刺身にする時は速やかに内臓を取り除くか、一度冷凍(マイナス20℃24時間)にする。
・肉眼で見える場合はアニサキス幼虫を取り除く。
・加熱して中心部までしっかり火を通す。
問合せ:食品衛生グループ【電話】3987-4177
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