「出てしまったごみの始末を考えるより、ごみを出さない工夫が先でしょう」。都議時代に環境局の部長から掛けられた言葉です。続けて「都の生ごみで一番多いのは給食の食べ残しです」とも
平成19年の区長選立候補時のマニフェストに「食べ残しゼロをめざしたさらにおいしい給食、食育を通じて小・中学生の健康管理に努めます」と記載したのは、この部長の言葉が頭にあったからです。当時(平成20年度)の足立区では、区内の全小・中学校から年間381トンもの給食の残菜が排出されていましたが、令和4年度には115トンと約7割減少しました
足立区の給食は現場の栄養士さんの努力で、天然出汁(だし)にこだわり、子どもたちにとって一生の宝ともいうべき健康の土台となる「味覚」を育むことに力を入れています。小学生から「今日は良い出汁が出ていたね」という声が上がるようになったのが、成果の一つでもあります
味だけでなく、校長や担任の先生、栄養士が子どもたちに丁寧に声掛けすることで、楽しく、食べやすい雰囲気作りにも配慮しています。味つけよりも、むしろこちらの努力が「食べる意欲」に繋(つな)がるというアンケート結果もあります
食べることが苦手な子どももいるわけですが、給食を一つの契機に、健康な体を作るための基礎知識や、食への意欲を身につけてもらえたらと思っています。それも重要な教育課程の一環と考えるからです。
※「おいしい給食」は、本紙12面で紹介
足立区長 近藤やよい
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