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葦立ち(あしだち)

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東京都足立区 クリエイティブ・コモンズ

■荒川放水路通水100周年を迎えて
「原風景」という言葉の意味を調べると「幼時に印象に刻まれ、成人しても思いが馳(は)せる景色」(出典:岩波国語辞典)とあります。日本人にとっての原風景といえば、月並みですが富士山、満開の桜などが頭に浮かびます
一方、足立区民の原風景は何かと考えてみますと、年齢やお住まいの場所により異なるとは思いますが、梅田育ちの私にとってのそれは、断然「荒川河川敷」です。通学・通勤の道すがら眺めた広々とした青空や、真ん丸で真っ赤な太陽が西の地平線に沈んでいく光景に、何度勇気づけられたことでしょう
ご存じの通り、現在の荒川は人工の放水路。その開削にあたって、区内では記録が残っているだけで120世帯以上(放水路全域では約1,300世帯)のご家庭が移転を強いられました。千住元町にある元宿神社には、祖先が開墾し400年余り引き継いできた地を去る深い悲しみを刻んだ石碑が残っています
放水路完成により、東武線の線路のルートが変わりました。川に架橋するにあたり、最短のコースをとるためでした。これに伴って北千住駅と西新井駅との間に、小菅・五反野・梅島の3つの駅が新設されることになったのです。放水路の通水、新駅の誕生ともに今年で100年目を迎えます
大雨や台風の度に気を揉(も)むことにはなりますが、それでも河川敷も含め、荒川という自然が私たちに与えてくれる様々な恩恵に、感謝せずにはいられません。
足立区長 近藤やよい

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