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自治体の皆さまへ

〔必ず襲って来る!〕命を守るために。水害への備え、やるのは「今」(1)

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東京都足立区 クリエイティブ・コモンズ

必ずまた襲って来る豪雨や台風。今号では、「令和2年7月豪雨」で大きな被害を受けた熊本県人吉市長が語る2つの教訓と、区民の皆さんに意識していただきたい「水害への備え」をご紹介します。

■熊本県 人吉市長による 豪雨災害からの教訓
令和6年1月22日、人吉市・松岡隼人(まつおかはやと)市長が、「令和2年7月豪雨」から得た教訓を、足立区民向けにご講演くださいました。その中でも、皆さんに特に知っていただきたい内容をご紹介します。

○人吉市長 松岡隼人氏
プロフィール:
昭和52年7月24日生まれ。平成19年から26年の人吉市議会議員を経て、平成27年に人吉市長に就任。「令和2年7月豪雨」による甚大な被害経験と教訓を生かし、まちの復興とともに防災・減災体制の充実や強化、市民の防災意識の醸成に尽力している。

○人吉市の被災概要
令和2年7月3日から4日未明にかけて発生した線状降水帯により、24時間当たりの雨量が400ミリメートルを超え、観測史上最大を更新。この豪雨で球磨川流域では越水し、堤防が決壊、市内の広範囲で浸水被害が発生した。
・死者21人(災害関連死含む)、負傷者17人、住宅被害3,398世帯(市全体の約2割)
※人口3万1,932人、1万5,538世帯(令和2年6月末現在)
・最大避難者数は、1,263人(令和2年7月11日)
・被害総額は、445億846万4,000円

「私がショックを受けたことの一つが、普段は穏やかな住民が職員に怒鳴って苦情を言っていたこと。この豪雨は人々の命や財産だけでなく、優しさや平常心をも奪ったことを痛感しました。だからこそ、二度とこのような被害を出さない対策が必要なんです。」

◇教訓1「早めの避難」、これに尽きます
死者の約4分の3が65歳以上の高齢者でした。被災後の市民へのアンケートでは、「遠方にいる子どもが親に避難するよう指示したが従わなかった」などの声がありました。元々、市は水害常襲地帯で昭和40年にも大きな水害に遭っています。「あのとき大丈夫だったから今回も大丈夫だろう」という“経験”、「あのときよりも酷(ひど)い水害はあってほしくない」という“願い”。これらが住民の避難行動を思いとどまらせたのかもしれません。
しかし、自分が避難しないことによって、救助に向かう消防関係者など自分以外の人を危険にさらす可能性があります。災害が近づくほど、できることはなくなっていきます。すべての人の命を守るために「早めの避難」を徹底してください。

◇教訓2「自分事」としてリスクに向き合って
「早めの避難」をするには、行政はもちろん、住民の皆さんも事前の備えができていないといけません。
住民は自分が住んでいる地域の災害リスクを正しく理解したうえで、いつ、どんな行動をすべきかを日ごろから把握し、行政は適切な時期に適切な指示をする。その住民の事前の準備と、行政からの情報がかみ合ってこそ、有効な避難行動に、ひいては「命を守る行動」につながります。
住民一人ひとりが「自分事」として水害リスクに向き合い、行動を起こすことが重要です。行動を起こさなくて何事もないのは、たまたま運が良かっただけ。行動を起こした先に何事もないのが最高の結果だと思います。ぜひ、足立区の皆さんで最高の結果をめざしてください。

◆区からのお願い
これらの教訓を踏まえると、次の備えは不可欠です!
▽STEP1 自宅の浸水リスクを認識する
「ハザードマップ」(全戸配布済み)で、川がはん濫したときに自宅がどれくらい浸水するかを確認しましょう。公共施設や電柱などに掲示している「浸水深表示板」も参考にしてください。

▽STEP2 いつ、どこに避難するかを決める
浸水リスクと自宅の状況を踏まえて、次の面に記載している3つの避難方法のうち、自分に合った方法を決めましょう。そして、いつ避難したら良いか、家族や関係者と話し合っておきましょう。

▽STEP3 備蓄の準備
次の面に避難方法に応じた備えを記載していますので、必ず確認・準備しましょう。長期間水道や電気などのライフラインが停止しても生活できるよう、事前の心構えと備えが必要です。

【訓練に参加して、防災力UP(アップ)!】
◆地域の避難所運営訓練
区内の町会・自治会では、いざというときのために避難所運営訓練を行っています。地域の一員として皆さんも避難所運営訓練に参加して、災害発生時、積極的に避難所運営に携われるようにしておきましょう。
▽避難所運営訓練に参加しよう!
町会・自治会が実施している訓練の中には、お住まいの地域にかかわらず参加できるものがあります。訓練参加者には記念品(簡易トイレやアルファ化米など)をお渡ししています。
▽主な訓練内容
避難者受付・居室の設営や災害対応型トイレの設置などの実践的な訓練です。訓練で手順を確認しておくことで、避難所開設時に迅速かつ適切に対応できるようになります。
※申し込み方法や記念品の種類など、町会・自治会ごとに異なります。

◆[申し込み不要見学自由]東京消防庁・足立区合同総合水防訓練
5月25日(土)
訓練:午前10時から11時
各コーナー:午前10時から午後1時
場所:荒川右岸大川町緑地(千住大川町32番先)
台風接近を想定した、東京消防庁の水防活動や救出救助活動訓練を生で見ることができます。ぜひお越しください!※荒天中止
▽今年は東京消防庁と一緒に大規模訓練!
例年とは違う、東京消防庁との合同だからこそできる訓練が盛りだくさん!体験コーナーや展示コーナーもあるので、来て・見て・触れて、防災力を高めましょう!

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問い合わせ先:(足立区)災害対策係
【電話】03-3880-5836

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