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青梅市の文化遺産92

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東京都青梅市

■小曾木の八大龍王
文化財保護指導員 儘田菜つ美

八大龍王(はちだいりゅうおう)を祀(まつ)った祠(ほこら)は、千ヶ村(ちがむら)峠近くの山頂(標高266m)に祀られています。太平洋戦争の際、徴兵された青年の無事を祈願して立派に建替えられた建物は、子孫の方々によって管理され、現在も往時のまま保たれており、地元住民からは「はつだいりゅう」と呼ばれ親しまれています。
八大龍王は慈雨(じう)に関する神様の総称です。龍神(りゅうじん)や水神(すいじん)として祀られ、祠は村人たちの祈願の場所でした。旱(ひでり)が続き、農作物が育たず、人々が困窮する恐れがある年には、村人は総出で降雨を祈願する雨乞いの神事を行っていたことが、明治時代の「宿谷家日記」や「市川家日記」に記録されています。
雨乞いの神事は、伊勢原市の大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)が有名ですが、市内でも武蔵御嶽神社や高水山などで行われていました。
小曾木の八大龍王には、村の農婦が祠の近くに横たわる大木に、休息しようと腰をおろしたところ、なんとそれは大蛇であった、という話も残されています。
八大龍王へは、以前は小曾木四丁目の高徳寺(こうとくじ)や中井神社(なかいじんじゃ)の裏から登ることができましたが、現在は、ちがむら球技場の脇道から登る、かつての女坂からのコースが歩きやすくなっています。

問合せ:郷土博物館
【電話】23-6859

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