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国際交流員マルセルのコラム

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栃木県下野市

■ドイツの生活 パート2「食」
Leben(レベン)in(イン)Deutschland(ドイチュランド)(Essen(エッセン))

3回にわたって、ドイツの衣食住についてご案内するシリーズの第2弾です。前回、ドイツのレストランについて触れましたが、その続きです。ドイツと日本のレストランには、3つの大きな違いがあります。

1.チップを支払う習慣がある
カフェやランチタイムの軽食などでは、飲食した合計金額の端数を丸めて支払う程度でよいとされています(例:合計金額が8.70ユーロなら、チップを含めた10ユーロを渡して「サンキュー!」といえば、先方もチップだと解釈してにっこりしてくれることでしょう)。これが夕食の時間帯で、さらにちょっと高級なレストランでワインなども嗜(たしな)んだ場合には、チップも高めになり、合計金額の10~15%程度を渡すのが一般的と言われています。
支払いをクレジットカードでする場合、チップはどうしたらよいのか、というご質問もよくあります。アメリカだと請求書に自身でチップの金額を書き込む欄があったりすることもありますが、欧州ではそれはあまり一般的でなく、支払いの際にチップを含めた金額を伝えてそれでカードを切ってもらうか、あるいはいったんカードで請求金額のみを支払っておき、あとからチップ分だけ現金で渡す、というやり方もあります。特に後者のやり方ですと、ウェイター・ウェイトレスはその場で現金がもらえるのでより嬉しい、という現実もあります。
ただし、いずれにしても義務ではなく心づけですので、ひどいサービスを受けた場合は、チップをあげる必要はありません。

2.お会計はテーブルで済ませる
ドイツをはじめ欧州各国の飲食店では、日本のように入口にレジがあって最後にそこでお会計をする、ということはありません。食事が終わったらうまくタイミングを見計らって、ウェイターまたはウェイトレスに、支払いをしたい旨を告げます。この場合、英語で「May I have the bill, please?(メイ・アイ・ハブ・ザ・ビル、プリーズ?)」や「Check please(チェック・プリーズ)」と言ってもいいですし、ドイツ語でしたら、「Zahlen bitte(ツァーレン・ビッテ)」が簡単で使いやすい表現でしょう。

3.ウェイターやウェイトレスの担当テーブルが決まっている
これも日本にはない習慣ですので、最初は戸惑うこともあるかもしれません。
同じレストラン内だからと、別のウェイターさんに声をかけても、「あなたの担当者は別ですから」と言って、聞いてくれません。これは1.のチップの習慣とも関連しており、いわばそれぞれのウェイターやウェイトレスの縄張りのような感じですので、これを侵さないようにしましょう。

さて、ドイツ料理には地域ごとにさまざまな特色があります。ドイツを代表する食べ物のひとつとして有名なソーセージですが、一口にソーセージといっても、各地で異なる種類のものが作られています。
そんな中でも、南のバイエルン州のミュンヘンを代表するご当地名物には、白ソーセージや白ビールなどがありますし、ミュンヘンからドイツ鉄道ICEで1時間30分ほどの距離にあるニュルンベルクでは、有名なニュルンベルガー・ソーセージが人気です。各地を訪れていろいろ食べ比べしてみるのも楽しいですね。その際には、ドイツ料理はとにかく盛りがいいので、あまり皿数をたくさん取りすぎないように注意するとよいでしょう。
また、ドイツの誇る飲み物はなんといってもビールです。ワインの生産も盛んですが、国民的飲料はビールで、その年間1人当たりの消費量は116リットルにのぼり、世界最大と言われています。ビールも地方色が豊かで、ミュンヘンご当地ビールの白ビールのほかに、ノルトライン=ヴェストファーレン州でも、デュッセルドルフ名物アルトビール、ケルンのケルシュビールなどがあります。

ドイツのビールには「純粋令」というものが法律で決められているのをご存知でしょうか?これは、1516年4月23日に、バイエルン公ヴィルヘルム4世が制定した法律で、「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」というもの。
この法律が制定される以前、16世紀当時のビールは、麦芽・水・ホップなどの主要な原料のほか、香草や香辛料、果実などが用いられていましたが、時には毒草が混ざったものや、発酵の具合がうまくいかずにビールとも呼べないような粗悪な品質のものも出回っていたそうで、質の良いビールを安定的に生産・供給できるように、という目的から制定されました。
現在でも、ドイツ国内の醸造所の多くは、ビール純粋令を指針としてビールづくりを続けています。中でも、ミュンヘンの北東のフライジングにある、世界最古のビール醸造所として知られるWeihenstephan(ヴァイエンシュテファン)醸造所は、平日だけですが、試飲も含めたツアーなどもできるようです。

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