もしコラムの読者の中にも、海外に興味がある、体験したい方がいれば、最後に皆さんにいくつかの方法を紹介したいです。私自身は17歳のころ、奨学金を得て1年間アメリカに留学し、ホストファミリーと住みました。つい最近、日本人にも同じようなチャンスがあることを知りました。
AFS International(インターナショナル)Programs(プログラムズ)日本協会は、十代の若者に、ドイツの他に36か国で留学プログラムを提供するそうです。毎年、全国の約70人の高校生に、海外留学を返済不要な奨学金(つまり無料で留学ができること)で叶えます。
学生として留学できるのは、とても特別な経験です。大人になって海外に行っても、学生と同じ経験はできません。学校に通い、友達と遊び、ホストファミリーと一緒に、まさにその国の日常生活を送ります。特に、学校を体験できるのは学生のうちだけです。教育だからこそ、数学や化学、スポーツなど、周りにとって当たり前な単語をたくさん自然に覚えてしまいます。大人になってから言語を学ぶときに、それらの基本の単語を全部勉強するには相当な努力が必要です。
大学に通う方にはもちろん留学する機会があると思います。ドイツに留学したい方はDAAD‐Deutscher(ドイチャー)Akademischer(アカデーミシャー)Austauschdienst(アゥスタウシュディーンツトゥ)(【URL】www.daad.jp)を参考にしてください。ホームページにも日本人を対象としたいろいろな奨学金について書かれています。個人的に、他の国を体験したいのなら留学が一番簡単な方法だと思います。大学間の協力のおかげで、留学先では多くの支援を受けることができます。受入大学は通常、借りられる部屋、住民登録のための市役所の予約、口座開設のための銀行の予約、医師登録のための病院の予約などを手配してくれます。学生は、すべての予約に時間どおりに行くこと以外、何も心配する必要はありません。
十代を超えた方なら、ワーキングホリデービザがあります。若い人たちにドイツの文化や日々の暮らしに触れる機会を提供するために、日独両国は合意を結びました。若者の国際交流を促進することが目標なので、ビザが下りる条件はとても簡単です。30歳を超えていないことと、往復航空券予約の証明書、バイトなどが見つかるまで生活ができるための2000ユーロ(執筆時の為替レートで34万円)、ドイツでの全滞在期間有効な旅行者用医療保険、そして旅行賠償責任保険を用意することです。
ワーキングホリデーの申し込みは31歳の誕生日の前日まで可能で、ビザが下りたら、入国できるのは1年以内です。つまり、基本的には32歳の誕生日の直前までに入国し、その後1年間(日独ビザの有効期間)滞在することができます。興味がある方は、ぜひドイツ大使館のホームページから調べてください。
ちなみに、私が最初日本に来たときは、ワーキングホリデービザでした。当時の為替レートは1ユーロが約100円でしたので、そのとき2000ユーロは20万円でした。現在の円安は皆さんにとって本当に残念なことだと思います。私も、国際交流員としての滞在中にできた貯金をユーロに換えるとあまり残りません。困りますよね。
「海外まで引っ越したくないけど、ドイツ人と触れ合いたい・一緒に仕事してみたい」と思う方は、ドイツの会社に入ってはいかがでしょうか?どうすればいいかというと、Außenhandelskammer(アゥセンハンデルスカマー)Japan(ヤーパン)・在日ドイツ商工会議所がおすすめです。ホームページにはジョブマーケットというサイトもあり、企業が求人広告を掲載するページと、応募者が履歴書を(会社が閲覧できるように)アップロードするページがあります。
今年3月に発表された調査によりますと、米中の緊張と中国の国際的な行為のため、中国から日本へ生産・管理機能の移動を進めるドイツ企業が少なくありません。在日ドイツ商工会議所のメンバー会社の38%が生産拠点、23%が地域管理機能を日本に移転しています。ドイツの会社へ転職希望の方は今がチャンスです。
そして、もちろん、来年の下野市とディーツヘルツタール市の友好の50周年の記念に向けて、また国際交流のチャンスがきます。興味がある方は是非、国際交流協会の会員になったり、訪問団員を自分の家に歓迎したり、ドイツに行く訪問団に参加したりしてみてください。
では、改めてこの3年間にいろいろな楽しい体験を可能にしてくださった皆さん、日本の文化や社会について教えてくださった皆さん、本当にありがとうございました。
また会えますように。皆さん、お元気で!
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