■現代部会調査速報(11)~龍城公園展望台~
2月に入り、今年の桜の開花が待ち遠しくなりました。桜で思い出すのは、市内の桜の名所のひとつ「龍城公園」内の広場に立っていた展望台の姿です。今回の現代部会速報では、今はなき、この展望台を取り上げます。町村合併後の昭和30年代の大田原市の観光事業は、観光資源に乏しく、誘客が課題となっていたため、従来からあった公園の整備、史跡の保存などを進めて誘客につなげようとしており、そのひとつに龍城公園の展望台建設がありました。
展望台は、昭和36年(1961)10月から工事が始まり翌年に完成。その年の4月7日から11日まで行われた「さくら祭」では、仮装行列などの行事と一緒に、展望台完成祝賀が行われました。高さ16メートルの展望台は、当時誰でも上ることができる市内で最も高い施設で、大田原城址にあったことから、ここから市街地を一望すると、当時のお殿様気分に浸れますが、ふと足元を見ると、手すりの間からすぐ下に広場が迫っているのに気づき、ワクワクヒヤヒヤしたものでした。
建設から24年後の昭和60年(1985)、多くの市民を楽しませてくれた展望台は、その使命を終え、ひっそりと姿を消していきました。
(現代部会 木下義文)
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