11月は
うつのみやDV根絶強化月間
児童虐待防止推進月間
近年、全国的に、虐待により小さな子どもが命を落とす痛ましい事件が後を絶ちません。
そのような事件でたびたび指摘されているのがDVとの関連です。11月はうつのみやDV根絶強化月間・児童虐待防止推進月間です。
この機会に、私たちができることを考えてみませんか。
■DVと児童虐待は関連している
DVとは、Domestic Violence(ドメスティック バイオレンス)の略で、配偶者や恋人などから振るわれる暴力のことです。殴る・蹴るなどの「身体的暴行」の他、大声で怒鳴るなどの「心理的攻撃」、生活費を渡さないなどの「経済的圧迫」、避妊に協力しないなどの「性的強要」があります。
DVが起きている家庭では、子どもに対する暴力が同時に行われている場合があります。また、子どもが見ている前で、夫婦間で暴力を振るうこと(面前DV)は、子どもへの心理的虐待に当たります。
子どもがDVを目撃していない場合でも、家庭内の緊張感や親が感じている恐怖・不安は子どもに伝わります。それにより、トラウマの症状や脳への影響が出ることもあります。さらに、DV被害を受けている人は、加害者に対する恐怖心などから子どもに対する暴力を制止することができず、重篤な虐待被害につながる場合があります。
DVや児童虐待によって、家族間の信頼関係が崩れた家庭には、地域や行政機関など周囲の支援が必要です。
■数字で見るDV・児童虐待
◇配偶者からの暴力の被害経験
女性の27.5%、男性の22.0%が、配偶者から被害を受けたことがあると分かりました。また、女性の13.2%が、何度も受けているという深刻な結果が出ています。
出典:内閣府「男女間における暴力に関す調査報告書」 令和6年3月公表
◇本市の児童虐待通告数
本市では、昨年度700件近い児童虐待通告がありました。コロナ禍でいったんは減ったものの、日常の生活に戻り、皆さんの気付きによる通報が増えてきています。
本市の児童虐待の通告数の推移
■それ「DV」・「虐待」ではありませんか?
◇その行動は「暴力」です
DV被害を受けていませんか
配偶者からの暴力は、外部からその発見が困難な家庭内において行われるため、外から見えにくく、しかも加害者に罪の意識が薄いという傾向があります。このため、周囲も気付かないうちに暴力がエスカレートし、被害が深刻化しやすいという特性があります。
暴力といってもさまざまな形態が存在します。次のチェックリストで確認してみましょう。
◇DVチェックリスト
・あなたが外出したり帰宅が遅くなったりすると怒る
・相手は、かんしゃくを起こすと壁を殴ったり、物に八つ当たりしたり、大声で怒鳴ったりする
・あなたを平手で打ったり、蹴ったり、あざを作らせたりすることがある
・相手は、生活費を入れない
・相手は、あなたに性行為を強要する
さまざまな暴力は、暴力を受けた本人の心身に重大な影響を及ぼします。暴力を受けない状態になってからも、暴力を受けていたときの恐怖が消えず、情緒不安定になったり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になったりするなど、心の健康を害してしまうケースもあります。
相手との関係が「つらい」「何かおかしい」と感じたら、すぐに相談することが大切です。
・話がまとまらない
・極端な自信の喪失
・過度に自責的
・人が信用できない
◇その「しつけ」と思っている言動
「虐待」かもしれません
虐待をしている保護者は、「しつけのため」と言って虐待を正当化することがあります。
「子どものために」と思っていても、必要以上に強く厳しい言葉掛けをしてしまったり、暴力を振るってしまったりするのであれば、それは「しつけ」とは言えません。
「しつけ」と「虐待」には次のような違いがあります。違いを正しく理解しましょう。
◇しつけ
・子ども自身が感情や行動をコントロールできるように落ち着いて教える。
・子どもの感情を酌み取る。
・子どもの思いを優先する。
◇児童虐待
・保護者が感情に任せて子どもをコントロールする。
・心や身体を傷付ける。
・親の立場を優先する。
虐待は子どもの成長にさまざまな悪影響を与えます。また、子どもへの不適切な関わりによって、子どもの問題行動に拍車が掛かることがあります。
子ども一人ひとりに合った適切な関わり方が、子どもの健全な成長を促進させます。しつけなどについて悩んだ際には、関わり方を振り返ってみることが大切です。
・栄養失調 発育不全
・自己評価が低くなる
・自信がない 相手の気持ちが分からない
・怒りっぽくなる 暴力を振るう
1人で抱え込まず、相談や支援事業を利用してください(14・15ページ参照)
問合せ:
配偶者暴力相談支援センター【電話】635-7751
子ども家庭支援室【電話】632-2390
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