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医療や介護が必要になったとき、あなたはどこで療養生活を送りたいですか。自分らしい生活を送るため、在宅療養について考えてみませんか。
■住み慣れた家での医療と介護
在宅療養とは、病気やけがなどで医療機関に通院できなくなったときや、治すことではなく痛みを和らげることを目的としたケアを自宅で行いたいときなどに、住み慣れた地域や自宅で、医療や介護を受けながら療養生活を送ることをいいます。
■まずは相談しましょう
受けたい医療やケアについて家族と話し合い、窓口となる専門職に相談しましょう。
◇在宅医療の相談先
・通院中の人
「かかりつけ医」に相談しましょう。
在宅医を紹介してくれる場合もあります。
・入院中の人
病院に「地域医療連携室」などの相談室がある場合、医療ソーシャルワーカーや看護師に相談ができます。
◇在宅介護の相談先
ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しましょう。在宅療養に必要な医療と福祉と介護の相談ができます。
■在宅療養を支える専門職
在宅療養には、さまざまな専門職の人たちが関わっています。
医療では、医師や看護師・薬剤師などが療養上の管理や指導を行い、介護では、ホームヘルパーなどの専門職が自宅などに訪問し、体の介護や家事・食事などの援助を行います。また、ケアマネジャーは、本人や家族の相談に応じるとともに、介護サービスを受けられるようにケアプランの作成や各機関の専門職との連絡・調整を行います。
専門職は、本人や家族が自宅などで安心して過ごすことができるよう、互いに連絡を取り合いながら、協力して日々の療養生活を支えます。また、在宅療養を支える家族へのサポートも行います。
■在宅医療を支える専門職の声
自分の意思を伝える「在宅療養」
◇訪問薬剤師としての支援
訪問薬剤師として、ご本人やご家族の他、病院やケアマネジャー・地域包括支援センターなどから依頼を受けて、在宅療養を送る人の自宅などに定期的に訪問し、服薬管理を行っています。
服薬管理では、副作用など体調の変化がないか、服薬忘れがないかを確認したり、ご家族からの相談を受けてケアをしたりするなど、ご本人やご家族とコミュニケーションをとりながら支援しています。
◇周囲と連携して支援する
ご本人の体調や家の状況などを観察し、気になることがあった場合は、ケアマネジャーや医師に情報提供するなどして対処しています。
過去には、自宅に訪問した際にご本人から訴えはなかったものの、腕の腫れが気になり、ご家族に連絡して病院受診を促したところ、骨折が見つかったことがありました。
ご家族や他の専門職とも密に連絡を取り合い、支援に関わる人同士の「顔が見える関係づくり」を心掛け、支援に携わっています。
◇ご本人の身近な存在に
訪問した際に、ご本人から、かかりつけ医やご家族には相談しにくいことを打ち明けてもらえることがあります。これからも、ご本人にとって身近で心のよりどころになるような、良い関係を築いていきたいと思います。
◇自分の意思を身近な人に伝える
在宅療養など、ご自身の今後の生活を考えるに当たって、ご家族などと話し合うことがありますが、まずは「自分自身がどうしたいか」を考えてください。
そして、看取りや望んでいる医療・ケアについてご家族などと話し合う「人生会議」や、延命治療などについて書面で意思表示を行う「リビングウィル」などでご自身の意思を身近な人に伝えてください。
私たち支援者は、ご本人の意思を尊重し、皆さんの状態に合わせた支援に取り組みます。
つくし薬局 管理薬剤師
石原 雅教(いしはら まさのり) さん
■11月30日は「人生会議の日」
◇人生会議を始めてみましょう
人生会議とは、あなたの大切にしていることや、どのような医療やケアを望んでいるかについて、自ら考え信頼する人たちと話し合うことです。
人生会議を行うことは、最期まで自分らしく生きることにつながります。
命の危険が迫った状態になると、約70%の人が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなるといわれています。
もしも、あなたがそのような状態になった時、家族などの周りの人は、あなたの受ける医療やケアについて選択を迫られ、判断をしなければなりません。このような時、あなたの価値観や考え方をよく知っていることが、その判断の重要な助けとなります。
これからの人生をより豊かにするために、「人生会議」を始めてみませんか。
◇在宅療養パンフレットをご活用ください
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本市では、在宅療養の基本的な知識やそれらを支える専門職の役割りについて、分かりやすくまとめた「幸子さんの在宅療養」、「在宅看取り編」、「リハビリテーション専門職編」など、在宅療養で大切なことをまとめた「在宅療養パンフレット」を作成しています。
各パンフレットは、市HPに掲載している他、各地区市民センター・出張所・図書館などの窓口でも配布しています。
問合せ:高齢福祉課
【電話】632-2332
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