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【特集】「渡良瀬遊水地」

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栃木県小山市

“池”じゃないんです※

小山市民なら一度は聞いたことがあるはず、渡良瀬遊水地。
「ラムサール条約に登録されている」、「最近はコウノトリが見られるようになった」、「ヨシ焼きの日には灰が降ってくる…」など、色々なイメージはあるけれど、改めてどういった場所なのかよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
本号では、様々な側面を持っている渡良瀬遊水地について特集します。これを読んで、夏休みは渡良瀬遊水地にお出かけしてみませんか?
※遊水地全体については「地」を使用し、調節池、貯水池については「池」を使用することを原則としています。

■そもそもどんなところ? 渡良瀬遊水地について
栃木・茨城・群馬・埼玉の4つの県の、4市2町にまたがる面積約3,300ヘクタールの広大な湿地で、本州以南最大のヨシ原を有する湿地でもあります。
渡良瀬遊水地は、小山市の南西端に位置しており、小山市はそのうちの1割程度を占めています。
また、遊水地の南端の栃木市域にある渡良瀬貯水池(谷中湖)はハート型をしており、恋人の聖地にも認定されています。

■私たちを洪水から守ってくれています! 渡良瀬遊水地の治水機能
遊水地は、大雨などで川の水が急に増えたとき、その一部を貯めて下流に流れる量を少なくする役割を持っています。
令和元年10月の台風19号のときは、渡良瀬川等からあふれた濁流が大量に渡良瀬遊水地に流れ込みました。普段は湿原や草原、そして水面が広がる遊水地ですが、いったん洪水となると越流堤(えつりゅうてい)(堤防の一部が低くなっているところ)から河川水が流れ込み、下流に流れる量を少なくしています。このように渡良瀬遊水地は地域と首都圏の安全な暮らしを洪水から守るという大切な役割を果たしています。

■聞いたことはあるけど、どんな条約? ラムサール条約について
ラムサール条約とは、正式名称を「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といい、たくさんの渡り鳥が利用する湖や沼など国際的に重要な湿地や、そこに暮らすさまざまな生きものを守るための条約です。1971年にイランの都市「ラムサール」で行われた会議で採択されたことからこの都市の名前にちなみ「ラムサール条約」と呼ばれるようになりました。
渡良瀬遊水地は、2012年7月にルーマニアの首都ブカレストで開催されたラムサール条約第11回締約国会議(COP11)において、ラムサール条約湿地に登録されました。そのため、同条約の目的に掲げられた「湿地の保全」と「湿地の賢明な利用」のため、渡良瀬遊水地では、「保全・再生」「賢明な利用」「交流・学習」の3つの柱に基づく取り組みが行われています。

■渡良瀬遊水地における様々な取り組み
渡良瀬遊水地では、「保全・再生」「賢明な利用」「交流・学習」の3つの柱に基づき、様々な取り組みが行われています。

◇ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦
年3回、希少植物の生育に悪影響を及ぼす外来種であるヤナギやセイタカアワダチソウの除去活動が行われています。
毎回約500人の参加者が集まり、過去9年間で延べ約2万人がこの活動に参加しました。
毎回1トン以上もの外来植物が除去されており、今年度1回目となる6月22日(土)の実施の際は、1時間ほどで2トントラック2台分の外来植物を回収しました。
今年度は、9月14日(土)と11月23日(土)にも実施を予定しています。

◇ヨシ灯り
渡良瀬遊水地に自生しているヨシを組み合わせて制作したヨシ灯りによるライトアップイベント。イベント当日は、大小300基を超えるヨシ灯りが会場を幻想的な光で包みます。
令和5年に開催された「夜景サミット2023in足利」において発表された、新たな夜景観光ブランド「栃木七灯(とちぎしちとう)」にも認定されています。
今年度は、11月9日(土)・10日(日)に開催を予定しています。

◇ヨシ焼き
毎年3月には、「良質なヨシの生育」、「枯れたヨシの中で越冬した害虫の駆除」、「野火防止」などを目的にヨシ焼きが行われます。
また、「地面に日光が照射することによる絶滅危惧種発芽促進」もヨシ焼きによる効果のひとつで、渡良瀬遊水地の自然環境を保全していくために欠かせないものです。
渡良瀬遊水地が炎と煙に包まれる光景は圧巻で、毎回多くの見物客が訪れています。

■渡良瀬遊水地支援プロジェクト
小山市は、渡良瀬遊水地コウノトリ・トキ定着推進協議会の事務局として、NPO法人ラムサール・ネットワーク日本と共に渡良瀬遊水地支援プロジェクトを実施しています。このプロジェクトでは、湿地のメンテナンスや水田ビオトープの整備、環境教育のためのハンドブックの作成などを行っています。活動資金はグーグル(Google)の「水管理責任プログラム」*から支援を受けています。

4月24日(水)・25日(木)に、Googleが支援するプログラムを紹介するビデオを制作するために、本プロジェクトのフィールドの撮影や、関係者のインタビューが行われました。
制作された動画は右の二次元コード(本紙参照)からご覧いただけます。

*「水管理責任プログラム(Water Stewardship Program)」は、Googleの事業展開地域で、事業で消費する水よりも多くの水を補給して、その地域の水生態系の健全性を向上させることを目的とするプログラムです。

■渡良瀬遊水地の環境企画展@結城市
「小山市結城市友好都市盟約10周年記念事業」として、結城市で渡良瀬遊水地における取り組みを紹介する企画展を開催します。
日時:8月20日(火)~25日(日) 10時~16時(20日は14時30分から)
場所:石島建設プラネットホール・ゆうき図書館(結城市民情報センター)1階マルチスペース(結城市国府町1-1-1)
内容:渡良瀬遊水地にすむ野鳥やコウノトリのはく製の展示、コウノトリのミニ巣作りワークショップほか
その他:8月20日(火)13時30分~14時30分に、NPO法人わたらせ未来基金 青木章彦(あおきあきひこ)理事長による講演会(テーマ…コウノトリが連れてきた「つながり」)を開催します(要申込)。
※詳細は結城市ホームページをご確認ください。

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