■日光の社寺はどうして世界遺産(せかいいさん)になれたの?
〇さて、前号(ぜんごう)の続(つづ)きだよ。世界遺産はほかに同じような価値(かち)をもつものが先に登録(とうろく)されていると、登録できないって話だったね。覚(おぼ)えてる?
◇そうそう。早く教えて~!
〇世界遺産登録のためには、まず国内(こくない)の候補(こうほ)に挙(あ)がる必要(ひつよう)があるんだ。候補にはそれぞれテーマがあって、そのテーマは世界(せかい)で唯一(ゆいいつ)のものでなくてはならないんだよ。
◇そこが不思議(ふしぎ)なのよ。世界遺産のお寺(てら)は法隆寺(ほうりゅうじ)があるし、神社(じんじゃ)は厳島(いつくしま)神社があるし…「日光の社寺」はどうして世界遺産になれたの?
〇日光の社寺は、日本を代表(だいひょう)する宗教(しゅうきょう)の建築物(けんちくぶつ)であると同時(どうじ)に、「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」の姿(すがた)をとどめていることが評価(ひょうか)されて、候補に選(えら)ばれたんだよ。
◇し…神仏…習合?
〇簡単(かんたん)に言うと、神様(かみさま)も仏(ほとけ)様も一つのものとして、一緒(いっしょ)に信仰(しんこう)することだよ。「神仏習合」は、江戸時代(えどじだい)までは一般的(いっぱんてき)な考え方だったんだ。
◇え?最初(さいしょ)から別々(べつべつ)のものじゃなかったの?
〇神様と仏様は、明治(めいじ)時代以降(いこう)に別々に祀(まつ)られるようになったんだよ。「日光の社寺」は神仏習合の代表的(てき)な事例(じれい)なんだ。
◇それで世界遺産になれたの?
〇もちろん、それだけじゃないよ。「日光の社寺」は、建造物そのもののすばらしさや、周囲(しゅうい)の自然環境(しぜんかんきょう)も評価されたんだ。
◇神仏習合と、周(まわ)りの自然環境が、世界遺産登録のカギだったんだね!
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