栃木市では、栃木市非核平和都市宣言の趣旨を踏まえ、戦争の悲惨さや核兵器のおそろしさを伝えるとともに、命の尊さや平和について考える機会を設けるため、今年も各種啓発事業を実施しました。
■戦争体験を聞く会
戦争体験を風化させることなく、後世に伝えていくため、8月17日に「戦争体験を聞く会」を開催しました。
戦争体験の語り部である毛塚(けづか)昌弘(まさひろ)さんと湯澤(ゆざわ)トヨさんに、戦時中の栃木市での生活の様子や、宇都宮空襲での体験等を語っていただきました。
■とちぎ平和展
8月14日から18日までの期間、本庁舎4階において、原爆の図丸木美術館所蔵の「原爆の図」の複製画や、戦時中に使用されていた軍服等の現物資料、広島・長崎への原子爆弾投下後の惨状を収めた写真パネルなどを展示しました。
また、市内6図書館でも、8月1日から31日までの期間に原爆写真パネルやポスターの展示とともに、非核平和関連書籍のコーナーを設けました。
■広島平和記念式典への中学生派遣
「広島平和記念式典中学生派遣団」として市立中学校から2年生2人ずつ、計26名を広島へ派遣しました。派遣された中学生は原子爆弾の恐ろしさを現地で感じ、戦争の悲惨さや平和の尊さについて学びました。
・8月5日…平和記念公園・平和記念資料館の見学
・8月6日…平和記念式典参列、宮島見学、元安川灯ろう流し参加
・8月7日…「原爆の子の像」への千羽鶴奉納、被爆体験講話学習
●平和記念式典参列
8時に平和記念式典が始まり、原爆死没者名簿奉納、代表者による献花の後、原子爆弾が投下された8時15分に、鐘の音とともに黙とうが行われ、平和への祈りをささげました。
▽派遣団員の活動報告からの抜粋
「広島市の小学生による『平和への誓い』で『私たちにもできることがあります。自分の思いを伝える前に、相手の気持ちを考えること。友達の良いところを見つけることみんなの笑顔のために自分の力を使うこと。』という部分に最も感銘を受けました。自分たち一人ひとりの力でも、平和に近づけるのだなと実感しました。」
「原爆が落とされてもう78年が経ちます。原爆について、戦争について知っている人が少なくなっていく中、このような式典に参加できたことはとても貴重な体験でした。だからこそ、学んだこと、気づいたことをたくさんの方々に詳しく教えていきたいです。」
「広島市長の平和宣言の中に、『若い方々に平和への思いを高めて、広島について発信していってほしい。』という言葉がありました。この言葉に、私たちが今回、派遣団員として広島を訪れた意味や使命があると思いました。広島派遣で学んだたくさんのことを、たくさんの人々に詳しく伝えていきたいと感じました。そして、世界中の人々にも伝え、平和への関心を深め、平和な核兵器のない世界になってほしいと思いました。」
●被爆体験講話学習
被爆された方から、原爆被害の実態と被爆体験を直接伺いました。(講師:脇舛友子(わきますともこ)さん)
▽派遣団員の活動報告からの抜粋
「講師の脇舛さんから、たった一つの原子爆弾で14万人の人々の命が奪われ、賑やかだった広島の街が一瞬にして変わり果ててしまったと聞き、今の広島からは想像できずとても衝撃でした。」
「たった三歳の子供が『生きていることが幸せ』と毎日のように思うほど、原爆はおだやかな生活を壊しました。『命からがら逃げてきた人々は、血だらけで皮膚がとけ目は飛び出していた』この言葉を聞いたとき、とても背筋が凍りつきました。原爆は時代をこえて、人の心に深い傷を負わせたことが伝わってきました。」
「今現在、平和に暮らしていることが、どれだけ幸せなことかを改めて感じることができました。今では当たり前のように感じている、みんなと同じようにできるということはとても幸せなことだと私は講話を聴いて思いました。」
●「原爆の子の像」への千羽鶴奉納
各中学校で心を込めて作成した千羽鶴、とちぎ平和展等で市民の皆さんに作っていただいた折り鶴は、大切に「原爆の子の像」に奉納してきました。
●広島平和記念式典中学生派遣報告会
8月24日、派遣団員が、派遣で学んだことや感じたことを市民の皆さんの前で発表しました。今後は各校の学校祭などで発表し、原爆の恐ろしさや平和の尊さを全校生徒に伝えます。
問合せ:総務人事課
【電話】21-2342
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