事業者による障がい者への社会的障壁を取り除くための「合理的配慮の提供」が努力義務から義務に変わりました。栃木市でも、障がいを理由とする差別の解消のために制定した「栃木市共生社会実現のための障がい者差別解消推進条例」を改正しました。
これにより、障がい者から社会的障壁(建物の段差やこれまで行われてきた慣習等)を取り除いてほしい旨の意思表明があった場合には、すべての事業者が合理的配慮の提供を行うことになります。
※イラストなど詳細は、本紙またはPDF版4~5ページをご覧ください。
『漢字ばかりで、難しいわ』
『専門用語が難しいですよね。でも、なるべく分かり易くお伝えしますので、お付き合いください』
『まず、今回改正で変更になったのが、みどり色の部分です』
『改正の説明の前に、「不当な差別的取扱い」とは、どういったものなのか見ていきましょう』
栃木市共生社会実現のための障がい者差別解消推進条例では、正当な理由がない限り、次の行為をしてはならないとしています。
■事業者とは…
「市の区域内において商業その他の事業を行う者」としており、一般的な企業やお店だけではなく、個人事業者やボランティア組織なども含まれます。
『この「不当な差別的取扱い」は、すでに行政や事業者では禁止されている、ということでいいのかしら?』
『そのとおりです。では次ページからがいよいよ本題です』
■合理的配慮とは…
障がい者から社会の中にあるバリアを取り除くために、何らかの対応を必要とする意思が示されたときに、負担が重すぎない範囲で対応することです。
求められた配慮が負担となるときには、障がい者と事業者が話し合い、お互いに理解し合いながら共に対応策を検討することが大切です。国や地方公共団体と同様に、事業者にも合理的配慮の提供が義務化されました。
●こんな対応を心がけましょう〈具体的な合理的配慮〉
▽段差がある場所で…
電車の乗り降りや店舗の出入り口など段差がある場所では、スロープを設置するなどして車いすの方を補助する。
▽メニュー選びのとき…
レストランなどで、視覚障がい者にメニューの内容(料理名・値段・分量)を店員が読み上げる。
▽お店の予約…
電話のみで行っている予約受付を、聴覚障がい者も対応できるようにFAXでも行えるようにする。
▽店内のレイアウト…
飲食店などでは、車いすの方も利用できるように、テーブルやいすの配置を一部変更する。
▽書類などで…
障がいの特性に配慮し、説明書などの文字を大きくしたり、ふりがなをつけたりする。
・合理的配慮(ごうりてきはいりょ)
▽受付でのやりとり…
聴覚障がい者とのやりとりに筆談、タブレット、コミュニケーションボードを利用する。
障がい者への合理的配慮は、相手の立場になって考えるちょっとした心づかいから生まれます
●合理的配慮での留意点(障がい者との対話で避けるべきこと)
▽前例がありません
・合理的配慮の提供は、個別の状況に応じて柔軟に検討する必要があります。前例がないことは断る理由になりません。
▽特別扱いできません
・合理的配慮は、障がい者も同じようにできる状況を整えることが目的であり、「特別扱い」ではありません。
▽もし何かあったら…
・漠然としたリスクだけでは断る理由になりません。どのようなリスクが生じ、そのリスク低減のためにどのような対応ができるか具体的に検討する必要があります。
▽○○障がいのある人は…
・同じ障がいでも程度などによって適切な配慮が異なりますので、ひとくくりにせず個別に検討する必要があります。
『こうして見てみると、わたし個人でも、出来ることがありそうだわ』
『そう言ってもらえて、嬉しいです。結局、今回の改正も、みんなで協力して優しい社会を作りましょう、ということなんですよ』
『すべての人がいきいき暮らす やさしさあふれる あったかとちぎ』
問合せ:障がい福祉課
【電話】21-2203
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