全国足利氏ゆかりの会
早川 尚秀
『全国足利氏ゆかりの会』は、足利氏にゆかりのある市町、団体などが共に手を携え、足利氏の偉業・遺徳を広く紹介することにより、足利氏を顕彰することを目的に、昭和61年に発足しました。
現在、東は関東から西は四国、九州に及ぶ全国9の自治体、10の商工会議所・商工会、7の観光協会、33の社寺、その他3団体で構成されています。
総会は東日本と西日本で1年交代で開催されています。昨年は京都府亀岡市で開催され、足利尊氏が旗揚げをした『篠村八幡宮』にて奉告祭を執り行いました。
そして、今年は第38回目として、茨城県古河市と栃木県野木町を会場に開催され、古河公方であった足利氏の追善法要を満福寺(野木町)にて執り行いました。
私は昨年初めて出席しましたが、足利氏の名のもとに全国各地から関係者に参集いただき、さらには足利氏の子孫の方もご出席くださることに、とても感激しました。『足利』の歴史の深さ、偉大さを痛感しました。
足利尊氏は京都に室町幕府を開き、約230年に及ぶ室町時代を築きました。この時代には、今日の日本の伝統文化を代表する能や茶華道が確立しました。室町文化として、足利氏が現代まで続く日本の文化の多くを創り上げたといっても過言ではありません。
最近ではさまざまな学術調査が進み、足利幕府における貢献や足利氏に対する評価というものが見直されてきました。足利尊氏を取り上げた書籍が直木賞を受賞したことでも、この時代への関心が高まっています。
足利氏の偉大な業績を称たたえるとともに、足利氏に対する正しい認識、正当な評価を促すための積極的な活動を展開することが大切であるという思いを共有し、皆で協力して取り組んでいくために、この『全国足利氏ゆかりの会』が重要な役割を果たすことになります。
足利氏の原点であり故郷が私たちの足利市です。まずは私たちが率先して活動し、この会を牽引していけるよう努めていきたいと思っています。
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