4月18日(火)に、文部科学省による小学6年生、中学3年生を対象とした「全国学力・学習状況調査」と、県教育委員会による小学4・5年生、中学2年生を対象とした「とちぎっ子学習状況調査」が行われ、本市の小・中学校も参加しました。これらの調査は、児童・生徒の学力や学習状況を把握し、児童・生徒への指導や学習状況への改善などに役立てるために行われています。
今年度の全国学力・学習状況調査では、小学校で国語・算数の2教科、中学校では国語・数学・英語の3教科が実施されました。とちぎっ子学習状況調査では、前回同様、小学校は国語・算数・理科の3教科、中学校は国語・社会・数学・理科・英語の5教科で、基礎的・基本的な知識・技能および思考力・判断力・表現力などに関わる内容が出題されました。また、両調査では、子どもたちに生活習慣や授業への取り組みなどを質問紙によって尋ねる方法で実施されました。
なお、これらの調査の結果は学力の一部分です。この結果から読み取れる傾向をお知らせします。
学力調査の結果は、上記の表のとおりです。学力調査の問題は毎年違うため、本市の児童・生徒の状況は、全国または県の平均正答率(%)と比較したポイント(P)の差で、下記の記号で表すことにします。
◎:大きく上回っている→+5.0P以上
○:やや上回っている→0から+4.9P
△:やや下回っている→-0.1から-4.9P
▲:大きく下回っている→-5.0P以下
◆学力調査の結果
本市の成績は、8ページの表のように全国や県の結果と比較すると、小学校は「やや上回っている」教科が多く、中学校は「やや下回っている」教科が多い、という結果になりました。
小学校では、学年や教科による差はありますが、記述式の問題や「思考・判断・表現」を問う設問の正答率が、全国平均を大きく上回る教科が多くありました。
中学校では、学年によって県平均を上回る教科がありましたが、全体的には平均に及ばない結果となりました。特に資料から考察をしたり、グラフや表などから傾向を的確に捉えたりする問題のほか、叙述をもとに記述したり、判断理由を明確にして説明したりするなど、自分の考えを論理的に表現する問題に課題が見られました。
現在、小・中学校とも各校の結果を細かく分析し、学力向上を目指して課題克服に取り組んでいます。
◆学習状況調査の結果
学力調査と合わせて、生活習慣や授業への取り組みなどの調査が実施されました。質問紙調査のため、「している」「どちらかといえばしている」を肯定的な回答として集計し、全国や県と比較することで、本市の児童・生徒の状況を分析しました。
▽学習の様子
・課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいる。
・グループなどの話合いに自分から進んで参加している。
・友達と話し合うとき、友達の話や意見を最後まで聞くことができる。
・授業で学んだことを、他の学習に生かしている。
▽生活習慣、家庭、地域社会、友達との関わり
・毎日同じくらいの時間に起き、朝食を食べるなど、規則正しい生活を送っている。
・住んでいる地域の行事に進んで参加している。
・人と話すことは楽しいと感じていて、友達関係に満足している。
▽規範意識、自分のこと
・学校の決まりを意識して守っている。
・いじめはどんな理由があってもいけないことだと思っている。
・誰に対しても思いやりの心をもって接し、困っているとき進んで助けることができる。
・人の役に立つ人間になりたいと思っている。
◆調査結果から分かること
▽学力調査と学習状況調査の相関から
・朝食を食べている児童・生徒は、全体的にどの教科においても正答率が高い。
・課題解決に向けて自分で考え、学んだことをほかの学習にも生かしている児童・生徒の正答率は高い。
・友達と話し合う活動をとおして、自分の考えを深めたり、広げたりすることができる児童・生徒ほど、正答率は高い。
・家庭において自分で計画を立てて勉強している児童・生徒は、正答率が高い。
・平日に、スマートフォンなどでゲームをする時間が長い児童・生徒ほど、正答率が低い傾向にある。
規則正しい生活をしたり、家族や先生から自分のよいところを認められたりすることで、子どもたちの学ぶ意欲は高まります。家庭や学校・地域で子どもたちを見守り、子どもたちの成長を認め、声をかけていくことが大切です。
市教育委員会では、小・中学校において教職員の授業力向上を目指し、「スーパーティーチャー育成事業」や「授業力向上研修」の実施、学習指導の改善プランの策定など、学力向上のための活動を行っています。調査結果を踏まえ、今後も各学校と連携して指導の改善に努めていきます。
問合:学校教育課
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