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≪特集≫高齢者の買い物を助けます!(1)

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栃木県那須烏山市

高齢になると、掃除や洗濯などの日常的な家事がやりにくくなってきます。特に支障をきたしやすい可能性がある家事は、買い物です。その原因は、加齢により足腰の筋力が衰え長距離を歩くことや重い荷物を持つことが難しくなったり、商店街の衰退により近くの個人商店が廃業して近くで買い物ができないなどが挙げられます。また、運転免許証を返納すると移動手段が限られ、日常の買い物に不便を感じている高齢者が増えています。
農林水産省における調査結果(※1)では、2015年における食料品アクセス困難人口(※2)(いわゆる買い物難民)は全国で825万人と推計され、全65歳以上人口の24・6%にも上ります。
そこで、市と社会福祉協議会では、本市の現状を把握し、課題を解決するために、高齢者を対象に買い物に関するアンケートを実施しました。
今月号では、アンケート結果とその結果から見えてきた課題をもとに支援策として作成した「宅配ガイドブック」を紹介します。

※1 農林水産政策研究所食料品アクセスマップ参照
※2 食料品アクセス困難人口とは、店舗までの直線距離500m以上、かつ、65歳以上で自動車を利用できない人

◆買い物アンケート結果
※アンケートの詳細は、市ホームページに掲載しています。

本市の買い物難民の状況を把握するため、下記によりアンケートを実施しました。
調査結果とその考察を紹介します。

調査期間:令和4年7月1日~9月31日
対象:市内在住の65歳以上の高齢者など
方法:聞き取り調査、郵送によるアンケート
配布数:860人
回収数:766人
回収率:89.1%

(1)買い物の頻度

「週2~3回」が37%と最も多く、次いで「週1回」が34%となっています。
約8割の高齢者が週1回以上は買い物に出かけています。

(2)よく利用するお店への移動手段

「自動車・バイクを運転」が28%、次いで「家族等による送迎」が21%で多く、「タクシー」や「デマンド交通」を利用している人もいます。
「その他」には自分では買い物には行かず、家族や知人、ヘルパーに購入してもらう人もいます。

(3)家族構成別の買い物利便度

「一人暮らし」の高齢者の約5割が何らかの不便を感じており、世帯構成人数が増えるとその割合が減少しています。同居家族による支援の有無が利便度に影響していると考えられます。

(4)買い物の不便を感じる原因

お店までの物理的な距離や体力的な理由から買い物に不便を感じている人が多く見られます。

▽具体的な意見
・足が悪くて買い物に行けない。
・重いもの(灯油)などを運ぶのが大変。
・商品を見て買いたい。
・足腰が弱くなってからが心配。など

(5)買い物の不便さを解消するために必要なこと(意見)
・買い物代行サービス
・移動販売車の販売サービス
・宅配・宅食サービス
・介護ヘルパーなどの支援
・お店で購入した商品の配達サービス
・ボランティアの支援
・店舗までの送迎サービス など

(6)宅配・宅食サービスの利用

(5)で挙げられた「宅配・宅食サービス」ですが、「日頃から利用している」人が23%いる一方で、「知らない・利用していない」と回答した人が42%います。利用方法や利用できる店舗の周知が課題だといえます。

◆調査の結果から
本市でも日常的な買い物等に不便さを感じている高齢者がおり、特に一人暮らしや高齢の夫婦のみの世帯においては、その割合が高いことが分かりました。
不便さを解消するために必要だと感じている意見を踏まえ、市と社会福祉協議会では、一部の店舗で実施されていた「宅配」に着目。令和5年度に、那須烏山商工会と連携して市内の飲食店や生活用品店など175店舗に「宅配」の取り組み実態を調査したところ、多くの店舗で「宅配」を行っていることが分かりました。
この結果を踏まえ、買い物に困難を抱える高齢者などへの支援策として、各店舗の宅配などの情報を冊子形式でまとめた「なすから宅配ガイドブック」を作成しました。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

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