鹿沼市では、平成7年に「平和都市」を宣言し、平成9年から、市内の中学生を広島に派遣し、戦争の悲惨さと平和の尊さを学んでいます。本年度も、20人の生徒が広島の地を訪れました。そこで、生徒たちが何を感じてきたのかをご紹介します(生徒の感想文については、一部編集して掲載しています)。
※市のホームページで事業概要、派遣生徒たちの感想文、記録映像を公開しています。市ホームページの「市政情報」コーナーから「平和行政」のページをぜひご覧ください。
■1日目 平和記念資料館、平和記念公園、原爆ドーム等見学
▽平和記念資料館
・実際に被爆した人たちは私が見て感じたことに比べものにならないぐらい辛いはずです。しかし、私たちはそれを実際に感じることができず、見て聞いたことを頼りにしか伝え続けることができないのだと無力さも感じさせられました。
・数々の遺品、被爆した方からお聞きした恐ろしさ、今考えても目を背けたくなるような事実ばかりでした。ですがこれらの事実を全て受け止め、未来へ繋げていかなくてはいけません。そのために、今回学んだ事を多くの人に伝え、僕たちが当たり前のように生きている意味、「平和」について考えていきたいです。
▽平和記念公園
・供養塔を見ていると、一人の男性が「原爆を落とす人も鬼だが、落とされた私達も鬼になってしまった」と話してくださいました。それと共に、男性のお父さんが被爆者であることを知りました。男性の目に浮かぶ涙は、胸がしめつけられる悲しいものでした。私は、この事実をたくさんの人に伝えなくてはならないと確信しました。
■2日目 平和記念式典参列 灯ろう流し
▽平和記念式典参列
・平和への誓いのある一言「願うだけでは平和はおとずれません」という言葉に考えさせられました。私たちは原爆の悲劇を繰り返さない。
そして、平和のため行動しなくてはいけない。そのために原爆の本当の恐ろしさを知ること、平和について自分の考えを持つこと、それらのことを伝えていくことが今の私にできる最大限のことだと思います。
■3日目 原爆の子の像に折鶴奉納 被爆体験講話学習
▽被爆体験講話学習
・体験講話学習での話で、教科書にも本にも書かれていない原爆の真相を知りました。「爆心地には遺体がない」など飯田さんがおっしゃっていた数々の言葉は、とても重みがあり、恐ろしく、私たちに原爆の愚かさを教えてくれるものでした。そして、私がテーマにしていた「唯一の被爆国である日本の役割」についても、そのたくさんある答えのうちの1つを見つけることができました。それは「知る」ことです。知ろうとすることから平和は始まると思います。戦争のない世界を作るために、願っているだけではなく、何か行動できる人でいたいです。
■この派遣事業で私たちが感じたこと
・戦争は、数分前までのいつも通りの日常や元気な子どもたちの希望に満ちた未来など全てをたった一つの原爆で奪っていってしまいます。その後生き残った人々もひどい後遺症や差別などに苦しみました。私は、79年という長い年月が経った今でも辛い日々と向き合っている人々がいるという現実を知りました。
・いまだに世界には多くの核兵器が存在し、それらの製造・所持に賛成する人が多くいることに憤りを感じました。
・この派遣事業で学んだことを、僕の身近な人や地域の方など様々な方々に伝えて、平和の尊さを知らせていきたいと思います。
・学んだことを、世界中に広く多くの人々に広めて、皆が平和意識をもつような世界に近づけるよう、日々発信を頑張りたいです。
■戦争の悲惨さを決して忘れない
中学生たちは、広島の地を訪れて感じた戦争の悲惨さ、平和な日常の大切さなどさまざまな思いを、周囲の人々に伝えていかなければならないと強く感じたようです。この経験が、平和への行動の第一歩となっていくことでしょう。
問合せ:総合政策課総務係
【電話】63-2138
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