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文化の泉 宝物(たからむん)No.54

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沖縄県南風原町

■陸軍病院壕の一般公開!
黄金森にある沖縄陸軍病院南風原壕(以下:病院壕)は、第二次世界大戦の戦争遺跡として、1990年に南風原町が日本で初めて文化財に指定しました。(※文化財指定に関する取り組みは、広報6月号の文化の泉をご参照ください)
今でこそ指定された文化財は、「見せる・活用する」取り組みがすすめられていますが、ひと昔前だと「守る・保存する」というイメージの方が強いかと思います。
ただし、病院壕の指定理由の中には、〈病院壕は戦争の悲惨さを教える生き証人であり、今後、体験者から聞き取りができなくなった時に、戦争を語れるのは壕(場)しかないこと。そして保存することで半永久的に語ってくれるし、「追体験」する上でも有効である〉という内容が書かれています。全国初の文化財指定という取り組みの中で、すでに「モノ言わぬ壕(戦跡)を沖縄戦の語り部にする」という考えを持っていました。
その考えのもと、病院壕の活用に向けて南風原町では、様々な調査をおこなってきました。特に挙げられるのが、地元の人や関係者からの聞き取り調査、そして考古学の手法による発掘調査です。これらの成果をもとに、病院壕とはどういう場所だったのか、証言の検証や証言にないことを確認しながら、実像を明らかにしていきました。
そして、壕を一般公開するにあたり病院壕に関して分かったことを見学者に伝えることを目指していきます。
この「伝える」活動で重要な役割を果たしているのが、町が養成してきた「平和ガイド」です。病院壕には、ツルハシで掘った痕・焼けた痕、手術場だった場所などがあります。これらの場やモノは自らしゃべることはありません。壕の中に入り平和ガイドの説明を聞き、暗闇や湿度など五感を通して追体験をおこない、戦争・平和について考えてもらう場としています。
ガイド養成講座はこれまでに12回おこない、149名が修了しています。ガイドさん達の力を借りながら、これからも戦争と平和について考える場として発展させていきたいです。(保久盛)

問合せ:南風原文化センター
【電話】889-7399

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