医師 大田瑞生
◆インフルエンザについて(新型ではない方)
これから冬に向かって、風邪などが流行ってくる季節でもあります。例年は12-1月に流行することの多いインフルエンザですが、昨年は10月から感染者が増えていたこともあり今年も油断は禁物です。
◇学校での扱い
「学校保健安全法」の中で出席停止期間について「発症した後5日間を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで」と書かれています。つまり症状が出てから最短5日間は出席停止、熱が出ていれば熱が下がった日の次の日を1日目として2日間出席停止となります。
×=出席停止 ◯=出席可
◇職場での扱い
じつは仕事については法律で休養期間は定められていません。もちろんインフルエンザに関わらず体調不良の際には配慮しなければならない、という決まりはありますが、インフルエンザになったら休まなければならないのか、何日休むのかと言う点については各職場の判断となります。もしもインフルエンザになった場合は、まず職場と相談しましょう。
◇治療について(日本感染症学会HP「~抗インフルエンザ薬の使用について~」参照)
インフルエンザの治療として、タミフル(オセルタミビル)の名前をご存じの方は多いと思います。実はオセルタミビルは、症状が出てから早期(48時間以内)に使用開始した場合リスクの少ない若年~成人においては症状のある期間が1日短くなるが重症化を防ぐ効果はない、とされています。ですのであまり積極的に抗インフルエンザ薬は処方していません。
例外的に、下記の方は積極的な処方の対象になり得ます。
・インフルエンザで入院歴のある方
・重症(肺炎合併など)の患者
・免疫抑制など重症化リスクの高い方
・2歳未満または65歳以上
・妊婦または産後2週間以内
基本的には自分の免疫力で治るのを待つ感染症です。ですが、かからずにすむのが一番です。まずは体力をつけること、そしてワクチン接種も重症化予防で推奨しています。また、感染したと思ったら自宅でゆっくり休むことも大事です。これから涼しくなる季節、体調管理にはより一層気をつけて元気に過ごしていきましょう!
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