■小禄村合併70周年 企画展「ウルク今昔」
琉球国の念仏は1603年の袋中上人(たいちゅうしょうにん)の来島に始まります。袋中上人を迎え入れた尚寧王は、上人を開祖とする桂林寺を創建し、浄土宗が琉球で初めて布教されるようになりました。念仏は那覇を中心に広まり、浄土宗の教えを伝えた人々を念仏者と称しました。特に麻姓儀間家の本家があった垣花には念仏が色濃く残り、「垣花念仏=小禄ジョール(浄土)」とも呼ばれました。しかし、念仏の精神は次第に忘れられ、小禄村が数少ない浄土宗を伝える村になったと言われます。
1901年、最後の国王尚泰の葬式のときに、小禄の「浄土宗六人」を派遣するよう尚家から指示した記録が残っています。また、1920年の尚典(尚泰長男)の葬式の際には、小禄・安次嶺・垣花から六名の念仏者が招かれ、服装は全て尚家から支給されていました。このように、小禄の念仏は尚家の葬式にも参加する格式高いものとされていました。小禄の人々は念仏者の役割に誇りを持ち、他の念仏者と同一視されることを嫌っていたようです。
企画展では、戦前の字小禄に残された念仏者の鐘を初展示します。これは、葬列に参加したときや亡くなった人が出たときに小禄の念仏者が叩いた鐘と言われています。貴重な資料をぜひご覧ください。
展示期間:7月5日~9月2日
開館:10時~19時 木曜休館
観覧料:一般350円(大学生以下無料)
問合せ:那覇市歴史博物館(パレットくもじ4階)
【電話】869-5266
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