■移民した方々と交流し絆を深め、移民の歴史を学びたい!!
令和6年1月9日~2月12日に実施された青年海外派遣事業で海外5ヵ国(ブラジル・アルゼンチン・ボリビア・ペルー・米国ロサンゼルス)へ行って来た研修生、比嘉萌(ひがもえ)さん・小橋川和(こはしがわのどか)さんの研修報告をシリーズでお届けします。今月はブラジル・アルゼンチン・ボリビアでの研修について報告します。
・当事業は金武町の青年を海外へ派遣し、各国の異文化体験を通じて国際的な視野を広げ、地域において意欲的に活動する青年の育成を図ること、移住地との交流の懸け橋となれる人材の育成を図ることを目的としています。
◇ブラジル
1月10日~18日
滞在中はブラジル金武町人会のマルコスさんの自宅にお世話になりました。まずブラジル金武町人会の方々の印象は、とにかくパワフルで情熱的な方が多いと思いました。理由として、町人会の新年会での催し物は1世から4世まで皆が積極的に動いており、金武町への想いが強く感じられました。また若い世代にも三線やエイサー、民謡まで沖縄の文化が受け継がれていました。移民資料館を案内して貰った際には、ウチナーンチュが移民先での壮絶な体験が綴られていました。また、偶然出会えた親戚の小橋川美佐子さんは、金武の方言を扱い、私の曾祖父母の話を聞き、本当に親戚だと実感しました。遠い地でも、金武町のお話を聞くことが出来たこと、また私の知らない曾祖父母のことを知ることができて嬉しかったです。
(比嘉萌)
初めて行く南米で最初に訪れた国は「ブラジル」でした。私は、ブラジルで使われているポルトガル語とは無縁で、訪れた時はとても不安でしたが、ブラジルに住むウチナーンチュは沖縄の人と同じでとても温かく私たちを迎え入れてくれました。ブラジルでは農業がとても栄えており、周りを見渡せば栄養豊富な色をした土、たくさんの緑に囲まれた景色ばかりでとても綺麗でした。初期移民では、言語も分からないままブラジルに移民を決意したウチナーンチュたちは、生計を立てるために、農業で働き成功を収め生きてきたバイタリティーがとても強みなんだと実感される日々でした。私たちはもっと移民のことについて理解する必要があると感じた初めの研修でした。
(小橋川和)
◇アルゼンチン
1月19日~
アルゼンチンでは、元研修生の新里アレハンドロさん宅に滞在しました。滞在期間に案内して貰ったアルゼンチンの街並みはヨーロッパの雰囲気があり、歴史を感じられる建物が多くありました。また、沖縄の文化交流の場「うるま園」という施設を訪れた際には、ウチナーグチでの会話が処々から聞こえてきました。以前金武町を訪れたことのある方々は、私達と現在の金武町・親戚は元気にしているかなどの情報共有で交流を深めました。アルゼンチンで素敵な人々と交流でき、楽しみながら過ごすことができました。短い期間ではありましたが、充実した日々を過ごせて新里家には本当にお世話になりました。
(比嘉萌)
アルゼンチンには、ボカという地区があります。そこはカラフルに色付けされた壁がありとてもユニークで可愛らしいアート作品がある中、ダンスであるタンゴは綺麗で美しく、発祥地としても有名です。ボカ地区の歴史的で文化的なところが魅力に感じました。また、アルゼンチンには沖縄県人移民百周年記念碑「いざ行かん我らの家は五大州」がありました。その記念碑の周りには移民をした方たちの名前が刻まれていました。この海外研修を行く前までは移民をした方たちは、沖縄県のみでその中でも金武町だけだと思っていましたが、実際に移民のことについて触れることで多くの市町村から沢山の移民者がいることを知ることができ、一歩ずつですが移民について気づきや学びを得ることができました。
(小橋川和)
◇ボリビア
1月25日~
ボリビアでは當山ゲルモさん・モニカさん宅でお世話になりました。ボリビア滞在期間で衝撃を受けたのは、2世・3世の日本語がとても流暢だったことです。新年会ではほとんどの方が日本語でコミュニケーションを取り、食べ物も和食や沖縄のチャンプルー料理が並んでいました。コロニアオキナワでお世話になった、安里直也さん宅では日本のテレビ番組が流れており、異国だと全く感じませんでした。ですが、外に出ると広大な大地が広がり、地平線の向こうまで畑が続いているのは沖縄では見られない光景で、ボリビアの大きさを感じました。他にも人生初のカーニバルの見学や、野生のワニやカピバラを見ることができ、ボリビアの自然や文化に触れることができて良かったです。
(比嘉萌)
ボリビアには、オキナワコロニアという地域があります。その地域には日本学校があり日本の言語、沖縄の文化を学ぶカリキュラムがあることに驚きを隠せませんでした。沖縄の文化を引き継ぎ、大切にしていることがウチナーンチュとして嬉しく思いますし、とても誇りに思っています。沖縄の反対側の国でも同じ伝統である文化や芸能を行っていることに一体感を感じ心が温かくなりました。また、沖縄へまだ訪れたことがない若者世代たちが沖縄に対する熱い気持ちを持っていることが不思議に思います。ですが、こんなに沖縄を身近に思うことができるのは、先祖代々へと受け継いでもらえるよう先代たちが努力して伝えている背景があるからだと思っています。私たちにとっての沖縄とはを考えさせられました。
(小橋川和)
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