◆博物館のこぼれ話
『桜の開花日のはなし』
4月になり桜の花が美しい季節かと思います。実はこの原稿を書いているのが2月の中旬のため、まだ桜のつぼみも硬い状態で開花はまだずっと先の話です。でもお花見の準備もしないといけませんから、今から桜の開花日がいつになるのかが気になって仕方がありません。
さて4月の桜のようすはいかがでしょうか。ちなみに桜の開花についての発表には植物観測用の標本木というのが決まっています。滋賀県では彦根気象台の中にソメイヨシノの標本木があります。気象台の玄関のすぐそばですので、一度見に行かれてはと思います。この標本木が開花して一週間くらいすると満開になります。その開花日ですが、最近はテレビの天気予報などで桜の開花予報を教えてくれたりします。
▽桜600℃・400℃の法則
この開花予測でよく知られているのが「桜の600℃の法則」です。これは2月1日からの毎日の最高気温を足していって合計が600℃になったら桜が開花するというものです。昨年の話になりますが、2023年の彦根での開花日は例年よりかなり早くて3月23日でした。そして図のグラフでもちょうど3月23日に最高気温の合計が600℃になったのでした。実は桜の600℃の法則以外にも「桜の400℃の法則」というのもあります。こちらは2月1日以降の平均温度を足していって400℃を超える日に開花するというものです。600℃の法則より400℃の法則のほうがよく当たると言われたりもするのですが、2023年は彦根での平均気温の累計が400℃になったのは3月25日で、600℃の法則のほうに軍配が上がりました。しかしどちらにしても桜は勝手気ままに咲いているわけではなく、自然界の法則の中で花を咲かせているのだと感じさせられました。
▽私たちの心を和ませてくれる桜
昨年の3月23日の開花は2021年の3月22日に次ぐ早さです。下の図は彦根気象台の標本木の開花日のグラフです。もちろん年によっていろいろと変動はありますが、全体としては開花日が早まってきているのが読み取れます。やはりこれは温暖化の影響なのかもしれません。春の桜は私たちの心を和ませてくれる美しい花です。この花たちも自然界の法則の中で花を咲かせています。私たちも自然のことを考えながら、心すこやかに過ごしていきたいですね。
◆観察会
『多賀の花の観察会』
今年も春から秋にかけて多賀の花の観察会を開催します。
春になりさまざまな植物が芽吹き、花を咲かせ始めています。今月は野鳥の森で春の植物観察をおこないます。自然いっぱいの多賀を再発見しませんか。原則、雨天決行です。お気軽にご参加ください。
日時:4月18日(木)9:30~12:00
集合場所:あけぼのパーク多賀駐車場
参加費:100円
主催:多賀植物観察の会
共催:多賀町立博物館
※事前申込は不要です。当日動きやすい服装でお越しください。
→多賀町立博物館
【有】2-2077【電話】0749-48-2077【FAX】0749-48-8055
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