■歳出の状況
一般会計の歳出総額は、110億4,107万円で、前年度と比較して1億784万円、1.0%の増となりました。目的別構成比では、民生費が全体の約3割(29.2%)を占めており、教育費(23.7%)、総務費(10.9%)がこれに続いています。前年度比増加率では、災害復旧費、商工費、教育費の順に大きく、減少率では、諸支出金、労働費、民生費の順で大きくなりました。
性質別では、前年度に比べ、義務的経費である扶助費が国の子育て世帯臨時特別給付金給付事業等の減により減、人件費が微減、公債費が学校教育施設等整備事業債等の償還金の増により増となりました。また、一般行政経費の補助費等が新型コロナウイルス感染症ワクチン接種事業、小規模未来投資支援事業等により増、維持補修費が除雪対策事業の減により減、物件費が物価高騰の影響により増となりました。建設事業等の投資的経費は、愛知中学校等大規模増改築事業や町道愛知川栗田線道路改良事業等による増により38.0%増となりました。
その他の経費については、積立金の大幅な減により、33.9%減となりました。
■自由に使えるお金はどれくらい?
▽経常収支比率
経常収支比率とは財政の健全性を示す指標で、税収など経常的な収入のうちどれだけを人件費や扶助費のような経常的な支出に使ったかを示すものです。言い換えれば自由に使えるお金の度合い、つまり、財政の「ゆとり」を示す指標です。
家計に例えると…
毎月決まって入ってくる給料のうち、食費・光熱費・ローンの返済など必ず支払う費用に、どれくらいのお金を使っているかを指標で示し、弾力性を見ようというものです。比率の上昇は、家庭で自由に使えるお金が少なくなることを意味します。
愛荘町の経常収支比率は、平成25年度以降に年々高くなり、平成29年度決算では98.4%に達し、全国平均92.8%と比べて高い数値となりました。
経常収支比率が100%を超えると各年度に収入するお金では足りず、起債(借金)や基金(貯金)の取り崩しなどの臨時的な収入に頼らざるを得ない状況となります。
令和3年度は国の歳入の措置により86.9%とかなり低くなったものの、令和4年度は93.1%となり、令和元年度、令和2年度と同水準に戻っています。
今後も健全な財政運営を維持していくためには、さらなる収入の確保に努めるとともに、歳入に見合う歳出改革を行っていく必要があります。
■まちの借金はどれくらい?
▽町民一人あたり…95万3千円
町債の残高は、一般会計は前年度末より4億5,223万円増の129億8,171万円、下水道事業会計は前年度末より4億4,498万円減の73億4,127万円で、合わせて203億2,298万円となり前年度末残高より増となりました。
合併した平成18年度末の残高は約222億円でしたが、平成25年度末には29億円減の約193億円まで減少しました。平成26年度から増加に転じ、令和2年度末で10億円増の約203億円に増加しています。令和4年度は愛知中学校等大規模増改築事業や愛知川栗田線道路改良事業などの実施により町債を発行しましたが、下水道事業会計の残高が減少したことから、前年度末と同水準の約203億円となりました。
今後、町としては将来世代に負担を先送りすることがないように町債の発行を計画的に行い、持続可能な財政運営に取り組む必要があります。
▽町民一人あたり町債現在高…95万3千円
町債現在高:2,032,298万円÷21,315人≒95万3千円
<この記事についてアンケートにご協力ください。>