■子どものトラウマ
心に傷を残すような体験を「トラウマ体験」と言います。つらい体験によって心身にダメージが現れることは、大人にも子どもにもあります。ただ、子どもは大人以上にトラウマを負いやすいです。
トラウマは、何らかのつらい出来事を体験することによって生じます。子ども自身が危険な状態にあると認識していること、極度の無力感を感じていること、さらにそのときにつらい記憶を持っていることで、トラウマは生じやすくなります。
ある出来事が子どもにとってのトラウマになるか否かは、その前後、とくにその出来事を体験した後に子どもが養育者との関係のなかで安心感を得られるかが大切です。子どもの場合、大人は「これくらいのこと」と思うような出来事であっても、その後のケアのあり方によっては、トラウマになることがあります。
子どものトラウマのよくない影響として、物事を否定的にとらえやすくなります。例えば、家庭の中で傷つけられる体験を重ねれば、家庭の外で出会う人も世界も、否定的にとらえがちになります。他にも、トラウマは子どもの「困った行動」として表れます。困った行動は、攻撃的な行動、暴言・暴力や、衝動性・多動性などという姿として見られたり、不安が高まったり、抑うつ的になったり、身体症状として出たりすることがあります。これらは、危険に対処する方法として、意識するよりも身体的な反応として現れるものです。「子どもの困った行動」は、子ども自身を守るための行動でもあるのです。
また、子どもの頃につらい体験を多く体験すればするほど、大人になってからも、こころや体のトラブルに悩む可能性が高くなるといわれています。
子どもにとってつらい体験があった際は、関わる周りの大人が子どもの状態を理解し、それに応じた「安心・安全」を感じられる環境を確保し、子どもの意思を尊重しながら、周りの大人が普段と変わらない生活習慣を過ごしつつ、穏やかに関わることが大切です。もし、子どもとどう関わるといいかわからないときは、当センターや周りの信頼できる機関にご相談ください。
参考:『子どものトラウマがよくわかる本』白川美也子(監修)
問合せ:健康推進課(愛知川庁舎)子育て世代包括支援センター
【電話】0749-42-766
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