※現在は神経発達症と呼ぶこともあります。
発達障害は、日常生活においてさまざまな困りごとがあるにもかかわらず、見た目ではわからない障害であるため、周りからは理解されにくいことがあります。発達障害の特性を理解し、だれもが生きやすい社会を実現していくことが求められています。
■発達障害の主な種類
○自閉スペクトラム症(ASD)
・コミュニケーションが苦手
・対人関係・社会性に課題がある
・パターン化した行動
・興味・関心の偏り
・感覚の敏感さなど
○注意欠如多動症(ADHD)
・不注意(集中できない)
・多動(じっとしていられない)・多弁
・衝動性(考えるよりも先に動く)
○限局性学習症(SLD)
・読む、書く、計算するなどの能力が、全体的な知的発達に比べて極端に苦手
○知的な遅れを伴うこともあります。
■発達障害とは?
発達障害は、生まれつき脳の働きに偏りがある状態のことです。
発達障害のある人は、コミュニケーションや対人関係が苦手で、その行動や態度は「自分勝手」や「変わった人」、「困った人」と誤解されることがあります。
発達障害は、右図のとおり大きく分けて3つに分類されますが、複数の障害が重なって現れることもあります。障害の程度や年齢(発達段階)、生活環境などによっても症状は違ってきます。
■「発達障害」の主な特徴は?
主な特徴は、「人との関係づくりが苦手」「落ち着きがない」「忘れっぽい」「極端に音やにおいなどに敏感」「文字が読めるのに書けない」など、人によって異なります。
また、ライフステージ(その人の年齢やおかれた環境)によって、困りごとは変化するため、ライフステージに合わせた対応が必要です。
■特性に合ったアプローチ
○感覚過敏
多くの人が特に気にならない音や光でも過敏に反応してつらいと感じる人がいます。聴覚過敏のある人は、耳栓やイヤーマフを利用して苦痛を軽減していることがあります。
○読み書きが苦手
読むことが苦手な場合は、音声読み上げ機能を活用することがあります。書くことが苦手な場合は、パソコンを使うことで書く負担を軽減することができます。
○空気が読めない…
相手の気持ちや場の雰囲気をうまく察することができず、人とのかかわりに悩むことがあります。遠回しな表現は避け、具体的に伝えることが大切です。
■発達支援センターへの相談状況(令和5年度)
○相談件数
乳幼児(1349件)
小学生(163件)
中学生(67件)
16~18歳(36件)
成人(217件)
○相談内容の内訳
発達障害・発達の遅れについて(438件)
コミュニケーションについて(414件)
落着きのなさ、不注意、衝動性について(145件)
集団への適応について(547件)
生活上の困難さについて(190件)
仕事について(68件)
その他(30件)
○発達支援センターでは、発達上の支援を必要とする人やその家族および関係者などを対象に一人一人の発達の状況に応じて、医療・保健・福祉・教育などの各関係機関と連携し、切れ目ない相談支援を行っています。
○発達支援センターは、乳幼児期から成人期まで、どなたでも利用できます。
・発達障害に対する社会的認知の広がりにより、近年では大人の相談が増えています。
・令和5年度の相談件数は延べ1,832件で、そのうち乳幼児期の相談が約75%を占めています。保健センターで行っている乳幼児健診や通園する園との連携により、早期発見・早期支援ができる体制を整えています。
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