■性を知ることは自分と相手を大切にすること
▽助産師性教育ユニットわかばなし
「子どもに性のことをどう伝えたらいいんだろう」「質問されても、なんて答えればいいの」と悩む保護者の声に応えたいと、’20年2月「わかばなし」として、おうち性教育を広める活動を開始。活動は口コミで広がり、地域や学校で講演を実施している。
黒岩帆姿(ほし)さん(48歳)元小学校教諭。自宅出産で出会った開業助産師の影響で37歳で助産師となる。3児の母。
宮迫美帆さん(42歳)大学在学中、助産師という職業に出会い、看護大学に入り直し、助産師の資格を取得。3児の母。
▽おうち性教育のすすめ
我が子のクラスで性的な言葉が飛び交い、戸惑う保護者を見て、家で子どもと性の話をするための親向けの講座を開催しようと、助産師ユニット「わかばなし」を結成しました。学校でふざけて話すようなネガティブな性の知識よりも、子どもは親と話したり聞いたりするほうが安心し納得します。
親子間でも話題にしづらい「性」のこと。例えば「赤ちゃんはどうやってできるの?」というような答えにくい質問にも、ポジティブにストレートな言葉で伝える方法もお話しています。最初にポジティブに話を聞いた子どもは、正しい情報を収集する能力が育ちます。
自分に一番身近なことだから、いつでも周りの大人に聞くことができるという安心感を子どもたちには感じてほしい。親子で何でも話ができる関係づくりのためのお手伝いがしたいです。
▽学校性教育への想い
「どんな境遇であれ、みんな精一杯生きるために生まれてきた」「自分と大切な人の心と体を守り、豊かに生きるために大切な話なんだ」。12月、高校3年生に、性の健康を守るための「プレコンセプションケア」の話をしました。
保育園や小中学校でも、命の始まりや、体の成長、デートDVの話などを通じて、尊重し合う人間関係について話をしています。
学校での性教育は、身近な仲間と同じ知識を共有でき、子どもたち同士が互いに助け合って生きていくための環境を作る上で大切なことだと感じています。
▽生きるための、命の種まき
子どもたちには、いろいろな選択肢や考え方があることを知り、ありのままの自分を受け止めてほしい。周りの大人は、子どもたちが迷い悩んだ時にSOSを出せる存在であってほしい。
そのためにも私たちの経験や価値観も伝えながら、これからも生きることそのものである「性」をポジティブに、ストレートに伝えていきます。
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