■第21回手術支援ロボット〝hinotori(ヒノトリ)〟導入と泌尿器癌(がん)治療について知っとこうか
副院長補佐・泌尿器科主任部長 金哲將(きんてつしょう)
泌尿器癌領域において手術支援ロボット(以下「ロボット」)を用いた手術は年々増加し、従来の手術(開腹・腹腔鏡(ふくくうきょう))に取って代わりつつあります。これまでの開腹手術は大きく皮膚を切開し病巣へアプローチする必要があったため、術後の回復に時間を要し、社会復帰が遅れることもありました。
一方ロボットは、3Dカメラにより鮮明かつ拡大機能を持つ三次元での手術を可能とし、人間の手以上の可動域を持つ3本のアームを用い、狭い空間でも自由で繊細な手術操作が可能になります。また、皮膚切開創(せっかいそう)が小さく気腹圧(きふくあつ)あつにより出血量が抑えられ、画期的な手術手技(しゅぎ)と言えます。
近年、前立腺癌は高齢化や食生活の変化、PSA(腫瘍マーカー)検査の普及により急増し、2016年頃から日本において男性の年間罹患者数がトップになっています。2012年にロボットによる前立腺癌手術が保険診療となり、現在日本では約90%の根治的前立腺全摘除術(こんちてきぜんりつせんぜんてきじょじゅつ)がロボットを用いて行われています。
公立甲賀病院においても、2024年1月から滋賀医科大学泌尿器科学講座の協力のもと前立腺癌に対するロボットを用いた手術が可能となり、その後、順次対応可能な泌尿器癌手術を拡げていく予定としています。ロボットの特性を活かし、患者さん毎に制癌性(せいがんせい)や術後の生活の質(QOL)を検討し、よりよい手術を提供して参ります。県下では、滋賀医科大に続いて2番目に導入!(2024年1月〜)子どもたちが操作体験をしました!!(11月11日開催公立甲賀病院フェスタ)
■手術支援ロボット『hinotori(ヒノトリ)』とは?
・川崎重工業とシスメックスが共同出資するメディカロイド社製
・海外勢がほぼ独占する手術支援ロボット分野に国産機として初参入
・コンパクトで操作性が高く、日本の手術室で使いやすい
・コスト面でも優れている
・可動域が大きく手振れもないため繊細で精緻な手術を安全に実施可能
・傷が小さく出血が少ないため患者の身体への負担が少ない
・漫画家・手塚治虫氏の「火の鳥」にちなんで名付けられた
■がん患者サロン「癒会(ゆかい)こうか」
がん患者・家族の交流会で、仲間と気持ちを共有しませんか?
日時:12月6日(水)13時30分〜15時30分
場所:公立甲賀病院2階講堂
参加費:無料、予約不要*1月以降も、毎月第1水曜日(祝日の場合は第2水曜日)に開催しています。
問合せ:がん相談支援センター
【電話】65-1641
■令和5年度第3回がん医療フォーラム
日時:12月16日(土)15時〜16時
場所:公立甲賀病院2階講堂
内容:肺がんについて
講師:呼吸器外科部長 藤田琢也(ふじたたくや)医師
申込締切:12月8日(金)
定員:100名程度
※当日受付可能・参加無料
問合せ:・申込みがん診療部
【電話】62-0234(代表)
問合せ:公立甲賀病院総務企画課
【電話】62-0234
【FAX】63-0588
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