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知っとこうか!公立甲賀病院

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滋賀県甲賀市

■第24回白内障について知っとこうか
眼科医長 山名正昭(やまなまさあき)

□白内障になるメカニズム
目の中の水晶体は大きさが約9mm、中心部厚が約4~5mm程度の両凸レンズ構造です。外界からの光を網膜に結像させるレンズの役割を果たしており、65%が水分で残りが蛋白質(たんぱくしつ)でできています。加齢や外傷、眼内炎症などで水晶体が混濁することで白内障と呼ばれる病態となります。アトピー性皮膚炎の患者は早期に白内障になりやすく、ある程度白内障がある方の場合、ステロイド内服では加齢により進行が早くなる場合もみられます。なお、医療においてステロイドは重要な治療手段なので過剰に心配しないで下さい。

□白内障手術と手術適応
白内障手術は正式には水晶体再建術と呼ばれ、超音波を使って水晶体の硬い部位(核)を破砕し、吸引した後に水晶体嚢(すいしょうたいのう)に眼内レンズを挿入する術式です。難易度や患者条件によって所要時間は異なります。かつては患者が見えにくさを訴えても矯正視力が良ければ、眼鏡作成で済ませていた時代もありました。しかし、機器やレンズ品質の向上もあり、今はコントラスト低下、乱視や近視などでの裸眼視力不良、高度な近視による眼精疲労に対して手術をするようになり、手術適応となる条件は下がりました。眼鏡では度数が足りず、ハードコンタクトレンズを要する方も推奨できます。水晶体を支える組織の老化による劣化、健康面も手術難易度に関係しますので、見えなくなってから受けるのではなく、早期の白内障手術が望ましいと当院では考えています。狭隅角(きょうぐうかく)の方は急性緑内障発作のリスクがあり、発症予防に早期の白内障手術が望まれます。遠くから近くまですべてピントが合う多焦点眼内レンズは60歳前後からお勧めでき、当院でも扱っています。

問合せ:公立甲賀病院総務企画課
【電話】62-0234
【FAX】63-0588

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