■第28回 胆道疾患について知っとこうか
消化器内科部長 三好薫人(みよしまさと)
◇胆石について知っていますか?
胆石は肝臓で作られる「胆汁(たんじゅう)」と呼ばれる液に含まれる成分が、溶けきれずに石のように固まる事で発生します。近年、胆石を持つ患者さんは増えており60歳以上で1割程度とされ、その中で毎年1~3%が症状を発症すると言われています。女性は男性より2倍胆石になりやすく、また40~50歳代の肥満の方が最も多いとされています。過食、不規則な生活、ストレスなどの生活習慣が影響していると言われています。
◇胆石で起こる病気は?
胆石があるだけで症状がなければ、すぐに治療は必要ではありません。ただし石が「胆道」と呼ばれる管に詰まると、胆石発作や胆のう炎、胆管炎を起こすため治療が必要です。主な症状は発熱や腹痛で、黄疸(おうだん)を伴う事もあります。診断は血液検査やエコー、CTで行い、重症度を判定します。
◇胆のう炎、胆管炎の治療は?
細菌感染を伴うため抗生物質での治療が基本となりますが、悪化すると膿んだ胆汁を抜く治療が必要です。胆のう炎はエコーで見ながら胆のう内にチューブを入れますが、緊急手術で胆のうを摘出する事もあります。胆管炎は内視鏡を口から挿入し、十二指腸から胆管にチューブを置く事で感染した胆汁を十二指腸へと排出させます。
◇当院の診療体制
当院では胆のう炎、胆管炎に対して24時間体制で対応しており、内視鏡を用いた胆管炎治療は年間300件以上と経験豊富です。胆のう炎、胆管炎は治療が遅れると命とりとなるため、発熱を伴った腹痛はすぐに医療機関を受診してください。
◇当院での内視鏡を用いた胆管炎治療数
問合せ:公立甲賀病院 総務企画課
【電話】62-0234【FAX】63-0588
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