■第29回 肺がんについて知っとこうか
呼吸器内科部長 福永健太郎(ふくながけんたろう)
◆肺がんとは?
肺がんは、悪性腫瘍の中で死因の第1位で、非小細胞肺がんと小細胞肺がんに大きく分類されます。このように分類するのは、治療の効きやすさや進行速度が異なるためです。非小細胞肺がんには、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどが含まれます。喫煙は発生要因の一つで、扁平上皮がんや小細胞肺がんでは関連が大いにあります。しかし、喫煙しない方でも肺がんが発生することがあります。
症状には咳、痰、血痰、胸痛などがありますが、肺がんができた場所や大きさによっては症状がない方もいます。そのため、早期発見・治療のためには定期的な健診を受ける必要があると考えます。当院では、健診センターにて健診を行っておりますので、ぜひご活用いただければと思います。
◆肺がんの治療は?
治療は手術、放射線療法、薬物療法、緩和ケアです。病気の進行度(病期)はI~IV期まであり、病期により選択する標準治療が異なります。非小細胞肺がんではI期、II期は手術です。III期では放射線療法と薬物療法を併用する化学放射線療法です。IV期では薬物療法が主体です。腫瘍内に発現している遺伝子異常や免疫チェックポイント阻害剤が効きやすいかどうかを調べて適切な薬物を選択します。IV期の非小細胞肺がんは、完治が困難であり、がんに伴う症状をやわらげ、できるだけ長く元気に生活することが目標となります。小細胞肺がんは悪性度が高く、再発や転移を起こしやすいがんです。
いずれの治療においても、進行度、年齢、全身の状態、現在や過去にかかっている病気(合併症)を総合的に検討して治療方法を選択することになります。
当院では内科、外科、放射線科と協力してガイドラインに沿った標準治療を行っております。
▽肺がんの病期と基本的な治療方針
問合せ:公立甲賀病院(地域がん診療連携拠点病院・滋賀医科大学地域医療教育研究拠点)
【電話】62-0234【FAX】63-0588
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