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滋賀県草津市

■性の多様性について考えてみましょう
「LGBTQ」という言葉と共に性的少数者(マイノリティ)の「人権」に触れる機会が増えてきました。

◇「LGBTQ」とは
性的少数者を頭文字で表し、それらを総称する言葉です。
「L」はレズビアン(女性の同性愛者)、「G」はゲイ(男性の同性愛者)、「B」はバイセクシャル(両性愛者)、「T」はトランスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性別とは異なる性別を生きる人「性別越境者」)、「Q」はクエスチョンニング(自認する性や性的指向が分からない人)などの頭文字です。

近年は、自分が「LGBTQ」であると「カミングアウト(性自認や性的指向を自ら表明すること)」する人の声や存在によって、身近なところに性的少数者の人たちがいることに気付いた人も多くおられることかと思います。

◇テレビ番組の放送から学んだこと
先日、朝日放送のテレビ番組「探偵!ナイトスクープ」に、トランスジェンダーの18歳の大学生から、性自認に関わる依頼が寄せられました。
男性として生まれた相談者は、小さい頃から野球に打ち込んできました。野球がもっとうまくなるためには、より男性的なたくましい体になる必要があると考えていましたが、自分の体と心の性に対する違和があるという現実に耐え切れなくなり、中学3年生の最後の大会を前に不登校になりました。
しかし、両親や担任の先生、野球部の仲間の協力や理解のおかげで、性の違和にも少しずつ折り合いをつけることができるようになりました。高校では心と外見の両方で女性としての生活を送り、昨年の春に大学へ進学した相談者は、学内のサークルで野球部のエースを務めています。
一方で女性ホルモンの服用を考え始めたのですが、そうすると体が女性的になり、速球を投げることはできなくなります。そこで相談者は、男性としての体と決別する覚悟を決めるために自分の投球の最高速度を知りたい、可能ならば140キロの夢をかなえたいという依頼をしたのでした。
番組の中では、相談者に共感する父親の姿もありました。共に苦悩を乗り越えてきた親子は、最後のキャッチボールをとおして、互いに心を通わせているように感じました。
残念ながら、140キロの夢はかないませんでしたが、キャッチボールをしている父親の目の涙は、あらためて、今の我が子を理解し、これからの人生を応援する決断そのものでした。
依頼した本人と両親は性的少数者の実情を少しでも視聴者に理解してもらいたいという思いから、相談者と共に父親とのテレビ出演を決められたとのことです。

◇今だからこそ私たちは考えたい
私たちは、みんなが共に暮らしている中で、自分の周りに性的少数者はいないのではなく「言えない」「言わない」さまざまな事情を抱えているという実情を、まずは知ることだと思います。
そして「カミングアウト」されたときは「カミングアウト」した人とされた人のお互いの「信頼」が重要です。「カミングアウト」には、人それぞれに込められた思いがあるからです。
理解することから始まる「共感」は、理解を求める人との距離感を埋めることもできます。
これは、全ての人権課題に通じていえることです。そのためには、それぞれの人権課題に、まずは、関心をもって学んでいくことが必要ではないでしょうか。

▽「LGBT理解増進法」2023年6月公布・施行
(正式名性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)
LGBT理解増進法は「理念法」として、全ての人にとって性には「多様性」があることをうたっています。
また、多様性に関して寛容な社会の実現をめざすことを目的としています。

問合せ:人権センター(大路二、キラリエ草津3階)
【電話】563-1177
【FAX】563-7070

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