■ドジョウフミ ―宿場町から見つかった漁具―
草津宿街道交流館の所蔵資料には、市民の皆さんから寄贈を受けた資料が多くあります。寄贈資料の中には「中神コレクション」や「うばがもちやコレクション」、「山口コレクション」のような個人で収集されたコレクション群の他に、古文書や生活用具などのさまざまな資料があり、草津市の歴史や私たちの暮らしを知る重要な手がかりとなっています。
今回は寄贈された資料の中から、漁に関する民具を紹介します。長い楕円形の大きなザルに丸竹の取っ手をつけた漁具は「ドジョウフミ」や「ドンジョフミ」、「ドジョウカキ」などと呼ばれるもので、かつては県内各地で使われていました。使い方は簡単で、川や水路の中で足踏みして、隠れていたドジョウなどの魚をザルの中に追い込んで、ザルをすくい上げて捕まえます。
かつて、琵琶湖周辺の川や池には豊富に魚がおり、このような簡易な道具で捕まえることができたそうです。寄贈を受けた2点のドジョウフミはいずれも大きさが1mほどあり、竹を編んで作られています。竹の色や縁の部分の仕上げ方が異なっていることから、作られた年代や場所、人物が異なる可能性が考えられます。
この漁具はかつての草津宿だった地域に住んでいる方から寄贈を受けたものですが、その伝来などの詳細は分かっていません。しかし、ドジョウフミが川や水路で使われる漁具であることや、県内の内陸地域でも使われていたことを踏まえると、草津宿にドジョウフミがあることは決して不可解なことではないといえます。
草津宿街道交流館では、市民の皆さんから寄贈を受けた資料を展示する「郷土を伝えるもの―寄贈資料展―」を3月23日(土)~5月26日(日)に開催予定です。こちらの資料も展示していますので、ぜひお越しください。
問合せ:草津宿街道交流館(草津三)
【電話】567-0030
【FAX】567-0031
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