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すべての人を大切にするまちに~インターネットと人権~

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滋賀県草津市

◆インターネットと人権
インターネットの始まりから40年近くの年月が経つといわれています。現在のインターネットは世界中の情報がつながり、高度な発展を遂げるとともに、その複雑性を一層増しています。
その中でも、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、好きなことや意見が似ている人同士がつながることができます。価値観の近い人たちと簡単に交流できることは、SNSなどがもたらす大きなメリットの一つです。
一方で、インターネットでは、自分の名前や顔を簡単には知られることなく発言できることから、もしも悪用された場合には、人権侵害になることがあります。
最近では、いじめなどをきっかけとして、不確かな情報に基づいて、当事者の個人情報がインターネット上にさらされたり、全く関係のない人たちを誹謗中傷(根拠のない悪口や嫌がらせ)する書き込みがされたりしています。
私たちが利用するときには、どのようなことに気を付けなければならないでしょうか。今回は二つの事柄を取り上げます。

◆価値観の似た者同士が共感し合うことで意見が増幅する「エコーチェンバー現象」
世界中とつながっているはずのSNSですが、同じ趣味の人だけフォローして、似た価値観の意見ばかりを見聞きし続けると、人はどう感じるでしょうか。
SNSを通して自分が見聞きしている意見には、もともと自分と価値観の近い人たちの意見が多く含まれている、ということを忘れて、あたかも「世の中のほとんどの人が同じ意見を持っている」と感じるかもしれません。
このような状況は、閉じた小部屋の中で声が反響することによって、あらゆる方向から同じ声が聞こえてくる現象に似ています。そこで、反響室という意味の言葉を使って「エコーチェンバー現象」と表現されています。

◆自分が見たい情報しか見えなくなる「フィルターバブル現象」
自分が見ているインターネットの世界が、他の人にも同じように見えているとはかぎりません。
多くのウェブサービスなどでは、個々人の検索行動や閲覧履歴を分析し、その人の行動に合うカスタマイズがされ、利用者の思考に近い情報が優先的に表示され、望まない情報からは遠ざけられていくような仕組みもあるとされます。
このような状況は、自身の考え方や価値観の「バブル(泡)」の中に孤立してしまうというところから「フィルターバブル現象」と表現されています。
エコーチェンバー現象とフィルターバブル現象は、あなたが誰とつながるかによって生まれるものと、あなたの行動履歴に基づいて提供されるものといった違いがありますが、どちらも意見の多様性が見えにくくなったり、自分の価値観と異なる情報を疎外したりすることにつながり、偏見のもとになる恐れがあります。これらの特性を十分に理解した上で、人権を侵害する発言や行動につながらないように気を付けながら、インターネットを利用する必要があるのではないでしょうか。
私たちがお互いの人権を尊重するためには、意見の多様性を認め、不確かな情報に惑わされず、コミュニケーションをとることが大切です。

問合せ:人権センター(大路二、キラリエ草津3階)
【電話】563-1177
【FAX】563-7070

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