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自治体の皆さまへ

【特集】障がいのある人が自分らしく輝ける社会に(2)

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滋賀県近江八幡市

■(福)きぬがさ福祉会 きぬがさ作業所
きぬがさ作業所は、主に手芸品や陶芸品などを製造・販売している「生活介護」の事業所です。昭和57年に前身の「きぬがさ共同作業所」が開所して以来、法人内で最初にできた事業所として、きぬがさまつりや廃品回収など、地域とのふれあいを大切にして運営されています。現在は50代~60代を中心に、18歳~80代の利用者47人、支援者30人が働いています。
今回は、その設立当初からの理念や事業所のコンセプトを基に、堀尾毅所長にお話を伺いました。

《理念1》ひとりぼっちの障がい者をなくそう
昔、障がいのある人は学校を卒業した後、働く場所がなく、家でもひとりぼっちのことが多かったそうです。自分らしく、安心できる居場所、自分が必要とされる居場所として、きぬがさ作業所は知的障がいのある人たち6人と職員1人からスタートしました。

《理念2》「仲間が主人公」の実践
作業所内には「仲間の会」という組合があります。会長は選挙で決まり、所長に対して給与交渉や日常生活での要望を提出します。「ボーナス活動」と呼ばれる作業所全体での活動もあり、そこで得た売り上げがボーナスになります。その後の外出ではそのボーナスを使う機会が設けられ、自分で稼いだお金を自分で決めた使い方で使うという、ひとつの生活体験となっています。
「一人の大人」として、私たちは障がい者の意思や自己決定を尊重していて、そのための環境づくりや経験づくり、声かけを積極的に行っています。

《コンセプト》あなたの人生、共に歩もう
法人内にさまざまな施設ができたため、新しく事業所のコンセプトを決めることになった際も、40年という歴史の中で、長く利用されている人が多いことから、自然と「人生」という言葉が出てきました。
障がいのある人とその家族は、たくさんのしんどさを抱えています。きぬがさ作業所ではそれらを受け止めて、関係者の人生を支えられるように成長してきました。これからも共に歩んでいけるよう、成長していきたいです。

◆利用者さんに聞いてみました
◇厚さ自由自在、唯一の「紙すき職人」羽田秀之(はねだひでゆき)さん
一番最初から自分で紙すきの仕事を選び、それから20年くらい紙すきをしています。
厚みの加減が難しく、慣れないとなかなか均一にできません。最初は苦労しましたが、今ではきぬがさ作業所で唯一の「紙すき職人」と呼ばれています。後継者を育てたいのですが、感覚的なことも多く、うまく伝わらないのが悩みです。
うまく紙がすけたときや、作ったものが売れたとき、そして自分の作った紙をみんなに見てもらうことがうれしいです。

◇みんなから頼られる、器用な「なんでも松澤さん」松澤喜久子さん
作業所では、梱包材づくりやお弁当の配達など、なんでもやってきました。1番好きなのは「さをり織り」で、30年くらい布やミサンガなどを作っています。自分で色を決め、さまざまな形のものを作れるところがいいですね。
きぬがさ作業所に最初期から在籍していて、この前は勤続40周年を祝ってもらいました。この40年、仲間が増えたこと、作業所の場所が変わったり大きくなったりしたこと、仲間のみんなで京都や蒲郡温泉に旅行に行ったことが思い出に残っています。もう少しコロナ禍が治まったら、また旅行に行きたいです。

お問い合わせ:(福)きぬがさ福祉会 きぬがさ作業所
【電話】46-2646
〒521-1311安土町下豊浦9019

■事業所いちおし!手作りグッズ
▽ディーワークス
・手作りパン
・焼き菓子

▽きぬがさ作業所
・ポチ袋
・干支の置物
・さをり織りの小物

■障がいに関することや日常生活に不安・悩みがある人は、下記相談機関へ気軽にお問い合わせください。
・どんなサービスが利用できるの?
・自分ではどうしていいか分からない

▽主に精神障がい、発達障がいに関すること
問合せ:地域生活支援センターふらっと
【電話】32-2667(平日午前10時~午後6時)

▽主に知的障がい、発達障がい、身体障がいに関すること
問合せ:東近江地域障害者生活支援センターサテライト近江八幡(れいんぼうサテライト)
【電話】32-8700(平日午前8時30分~午後5時30分)

▽全ての障がいに関すること
問合せ:障がい福祉課
【電話】31-3711(平日午前8時30分~午後5時15分)

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